2006 Fiscal Year Annual Research Report
接着性細胞Biofilmによる医療用金属材料の腐蝕促進メカニズムの解明
Project/Area Number |
18500360
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
森田 真史 埼玉大学, 大学院理工学研究科, 教授 (20112667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 潔 埼玉大学, 大学院理工学研究科, 教授 (40312920)
玉内 秀一 北里大学, 医学部, 講師 (60188414)
諸星 康雄 北里大学, 医学部, 講師 (80050649)
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Keywords | 微生物腐食 / 生体適合性 / 金属アレルギー / 電気化学 / 医療用金属 / チタン合金 / 溶存酸素 / 生体材料 |
Research Abstract |
金属の微生物腐食は化学プラント,土壌埋設金属,造船などの工業分野ではよく知られた現象である.インプラント金属も周囲組織細胞の攻撃を受け,耐食性が低下する可能性がある.我々は純Ni板上で接着性細胞(L929)を培養した際,著しい孔食の発生とイオン溶出を認め,細胞の付着に腐食促進作用のあることを確認した.金属表面と細胞付着部の間隙に閉じ込められた培養液中の溶存酸素濃度は細胞自身のエネルギー代謝に伴う酸素消費によって著しく低下するために細胞非接着部との間で酸素濃淡電池を形成することが金属腐食を促進する主要因ではないかと推察された.また、金属腐食電位の貴化現象が付着微生物の分泌するタンパク質から成るBiofilm形成に起因するとの指摘がある.電位貴化現象のメカニズムについては,(1)微生物の分泌する有機酸によるpHの低下説,(2)微生物代謝に伴う過酸化水素などの活性酸素説など諸説あるが未だ定説はない.生体内環境もこれに類似するが,腐食促進そのものが明確に確認されておらず,組織の関与についても報告は無い. そこで、接着細胞による金属腐食メカニズムの解明を目的として以下の実験的検討を行った. 1)L929線維芽細胞によるBiofilm形成過程で自然分極電位の時間的変化を経時的に測定することで、金属表面に細胞が付着することによる金属・溶液界面のゼータ電位と電気二重層形成に与える影響を検討した。Biofilmが形成された低溶存酸素部で電位の低下が認められた. 2)金属表面の接着細胞Biofilmの成長(高密度化)に伴う金属/スライム間の自然分極電位/電流および金属/スライム間隙の溶存酸素濃度,pH微小電極による経時変化を測定し,接着細胞の金属耐食性への関与を明らかにした. 3)Biofilm(L929を寒天ゲル中に播種した膜)で培養液を2分割するセルを作成し、培地A(大気開放)と培地B(大気遮蔽)の溶存酸素濃度を経時的に測定し、酸素消費速度を測定した.酸素濃淡電池形成を示唆する電位差が確認された.
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