2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18500361
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
今村 保忠 Kogakuin University, 工学部, 教授 (40201339)
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Keywords | コラーゲン / IV型コラーゲン / アスコルビン酸 / ゼラチン / 分泌フォーム / ムチン型糖鎖 / Nアセチルシステイン |
Research Abstract |
1.IV型コラーゲンの分泌フォームに影響を及ぼすアスコルビン酸以外の因子としての昨年度の研究で見いだしたN-アセチルシステイン(NAC)作用を検討した。NACはアスコルビン酸と異なり、IV型コラーゲンの転写レベルを上げた。その結果、3本らせんフォームとゼラチンフォームを分泌する条件で、分泌量が増加した。3本らせん形成に及ぼす作用は、アスコルビン酸に比較すると、部分的であった。NACはIV型コラーゲンのらせん形成には間接的に作用すると考察される。 2.ゼラチンフォームのポリペプチドの解析は、今年度は実施することができなかった。 3.IV型コラーゲン遺伝子については,現在でも遺伝子バンク等から全長クローンの入手はできないために、α1(IV)鎖およびα2(IV)鎖の遺伝子全長の単離を試みたが成功していない。そこでC末端側のNC1ドメインのみを単離し、発現ベクターに組換え、発現系を作成した。インサートには、シグナルペプチド、V5エピトープ、Hisタグの有無の組み合わせたものを用いて、3本らせん形成に干渉するか,するとすればどのようになるのかを調べる実験系ができた。実際に、IV型コラーゲンを分泌している細胞にトランスフェクションし、細胞外に分泌されるものがあることを確認した。今後は量的に多量分泌する条件を検討し、糖鎖の有無の解析に利用する。 4.ゼラチンフォームのα1(IV)鎖分泌過程を細胞内の抗体染色で解析を行った。3本らせんフォームの場合に比べ,ERでの滞留が認められた。同様の結果はコラーゲンペプチド中のプロリンやリジンの水酸化酵素の阻害でも見られた。この現象は、コラーゲンらせん形成不全で引き起こされるもので、コラーゲンペプチドへのムチン型糖鎖の修飾と密接に関連していた。
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