2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18500362
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
甲谷 繁 金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (00242529)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 光信 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (00135047)
石垣 靖人 金沢医科大学, 総合医学研究所, 講師 (20232275)
勝田 省吾 金沢医科大学, 医学部, 教授 (40110613)
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Keywords | 光触媒 / 活性酸素 / パッチテスト / 化学発光 / 医用材料 |
Research Abstract |
本研究は、ヒト個人の持つ活性酸素感受性をトータルに、かつ簡便に測定できる系を確立する目的のために、光を吸収して活性酸素を放出する光触媒技術を応用し、アレルギーパッチテストのように感受性を簡単にテストできる活性酸素パッチを試作して、ヒト培養細胞と実験動物での試験を計画した。 今年度の当初の計画では、(1)光-酸素透過性フィルムにBiVO_4系光触媒を固定薄膜化し、活性酸素パッチの試作品を製作すると共に、(2)活性酸素消去系ノックダウン細胞における光触媒由来活性酸素種の解析を行い、培養細胞レベルでの生物学的検討を行うことを目的とした。しかしながら(2)の生物学的アッセイを行う上で光触媒の滅菌操作を導入することが不可欠であるが、滅菌のやり方によって光触媒から発生する活性酸素量に大きな変動が認められることを発見し、光触媒の調製方法と滅菌法を再検討する必要があることを認識するに至った。 今年度は、主に滅菌法によるBiVO_4系光触媒からの活性酸素発生量の変動について、ルミノール化学発光法による活性酸素の化学的定量と、ヒト培養細胞を使った毒性試験を併用して検討した。滅菌法では、エタノール滅菌法とオートクレーブによる高圧蒸気滅菌法を比較した。まず、活性酸素発生量を比較した結果、高圧蒸気滅菌の場合で滅菌処理前と同程度の活性酸素の発生が認められるのに対して、エタノール殺菌では二分の一以下に減少することが分かった。一方、ヒト培養細胞の培地に蛍光灯からの可視光を照射した際、高圧蒸気滅菌で処理した光触媒を培地に分散したほうが、エタノール滅菌した場合よりもヒト細胞に対する毒性が強いという結果が得られた。従って、ヒト細胞毒性の強さは、光触媒から発生する活性酸素量と相関している可能性が高いと考えられ、今後遺伝子ノックダウンや電子顕微鏡などによる毒性機構の解明が必要である。
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