2007 Fiscal Year Annual Research Report
細胞膜透過ペプチドベクターを用いたsiRNA溶出ステントの開発
Project/Area Number |
18500364
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
大橋 俊孝 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (50194262)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣畑 聡 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (90332791)
松井 秀樹 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30157234)
新留 琢朗 九州大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (20264210)
森 浩二 山口大学, 工学部, 講師 (40346573)
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Keywords | siRNA / ステント / 虚血性心疾患 / DDS / ペプチド |
Research Abstract |
1. ラット血管平滑筋細胞を使ったコーティング法の最適化(大橋・新留) モデルsiRNA薬剤(蛍光ラベルsiRNA,)導入のためのステント表面修飾用最適コーティング法の検討を前年に引き続きおこなった。Ti酸化膜にコーティングしたheparinに蛍光ラベルPTDペプチドを結合させ、細胞を播種し細胞内取り込み量を蛍光量にて定量して評価したが、コントロールと比して、取り込み量の差を十分に認められなかった。播種して接着する時間までのHeparinへの結合安定性・持続性が不十分であると想定された。 2. ラット血管平滑筋細胞を使ったsiRNA導入効果の確認(大橋・松井) siRNA導入が機能的に十分発現・機能抑制に働いているかを確認する。サイトカイン誘導により、再狭窄時に増殖する内膜平滑筋細胞から様々な遺伝子が発現誘導されてくる。 ターゲットとしたのは、メタロプロテアーゼの一種のADAM-TS遺伝子である。IL-1刺激により発現が6時間後に上昇する。プローモーター上流域に転写因子NFAT結合部位が存在し、NFAT阻害剤(I・M)で、ADAM-TS遺伝子発現が低下した。NFATの脱リン酸化と核内移行が再狭窄遺伝子発現に関与することがわかった。 3. ラット血管再狭窄モデルにおけるsiRNAステントによる治療 (廣畑・森) 前年度指摘された改良点として、ステント・カテーテルのサイズダウンが指摘された。見積もると新しくステントの径を小さく設計・施工するのは、本予算では困難なため、既存サイズのTiステントを入手しステントクリンプで工夫して折りたたみ、バルーンカテーテルに装着しラット総腸骨動脈への挿入実験を行った。このプロトタイプは極小化と動作柔軟性がまだ不十分であるため、血管障害を引き起こし、溜置成績は大動脈より良くなかった。
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