2006 Fiscal Year Annual Research Report
温度応答性高分子ブラシ界面でのタンパク質のアフィニティ制御
Project/Area Number |
18500367
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
菊池 明彦 東京理科大学, 基礎工学部材料工学科, 助教授 (40266820)
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Keywords | 温度応答性表面 / アフィニティ制御 / 固定化金属イオンアフィニティ / ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド) / イミノ二酢酸基 / 原子移動ラジカル重合 |
Research Abstract |
本研究では、タンパク質のヒスチジン残基と配位結合しうるイミノ二酢酸基(IDA)を側鎖に有する温度応答性高分子を界面に修飾し、本界面でタンパク質との相互作用のうち、配位結合性の親和性制御を温度変化のみで実現する新規な分離・分析デバイスの設計とその検討を目的としている。本年度は、メタクリロイル基を導入した表面でIPAAmモノマーとIDAモノマーのラジカル共重合を行う方法と、原子移動ラジカル重合(ATRP)により導入する方法の2通りを検討した。 まず、文献に従い、p-クロロメチルスチレンとIDAとのカップリング反応を行い高収率でIDAモノマーを得た。次に、メタクリロイル基を導入したカバーガラス表面上で、IPAAmモノマーとIDAモノマーとのラジカル共重合を行いガラス表面にIDA基を含有する温度応答性高分子層を構築できた。次に、ガラス表面上での温度応答性高分子の密度と鎖長を制御する目的で、ガラス表面にm, P-クロロメチルフェニルエチルトリクロロシランを導入し、この表面上で、CuCl、CuCl_2、Tris((N, N-dimethylamino)ethyl)amine(Me_6TREN)を触媒に用い、蒸留水中でATRP反応を行った。表面へのポリマーの導入は、温度を変化させながら水に対する接触角変化を調べることで確認できる。ラジカル重合により調製した表面では、温度変化に伴って接触角が変化する傾向が確認されたが、ATRPで調製した表面では温度応答性が確認されなかった。そこで、溶液重合で確認したところ高分子が調製できていないことが確認され、これは、IDA基が触媒である銅イオンと配位結合するために重合反応が適切に進行しない可能性が考えられた。そこで、IDA基のカルボキシル基を保護基として、ATRP反応を行うことにし、保護化したIDAモノマーの調製を行った。次年度は、この保護モノマーを用いてIPAAmモノマーとのATRPを行い、温度応答性表面を構築し、この表面と生体分子との相互作用を評価する予定である。
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Research Products
(2 results)