2006 Fiscal Year Annual Research Report
生分解/pH応答が可能なフォトニックデバイスの開発とインプラント型DDSへの応用
Project/Area Number |
18500369
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
内田 熊男 近畿大学, 理工学部, 教授 (40088464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤島 武蔵 近畿大学, 理工学部, 助手 (90388497)
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Keywords | 生体材料 / フォトニック結晶 / 薬物放出システム / インプラント / 高分子ゲル |
Research Abstract |
高い全身性副作用をもつ抗がん剤を腫瘍部位へ集中的かつ持続的に必要量だけ投与するドラッグデリバリーシステム(DDS)の開発は、現在のがん治療が抱える問題を解決するための鍵を握るものである。本研究では、外部刺激答への高速自律応答と生分解による薬物放出ができ、非侵襲的手段でそのモニタリングが可能な医用デバイスを開発し、これをインプラント型DDSへと応用することを目的とする。第1の目標は、生分解性・刺激応答性高分子ゲルを用いて、逆オパール型多孔質構造をもつフォトニックデバイスを作製することである。第2の目標は、近赤外光を用いた薬物放出の非侵襲・実時間モニタリングである。 始めに多価アルコールと多価カルボン酸を原料とすることで脂肪族クエン酸系ポリエステルを作製した。IR吸収測定、ラマン散乱測定、XRD測定の結果、エステル結合の3次元的ネットワークをもつゲルが形成されていることが分かった。また、TG-DTA,DSC測定により熱物性を評価した。更に、アッベ屈折計を用いてポリエステルフィルムの屈折率を評価した。 一方、コロイド結晶を用いたレプリカ法により、逆オパール型多孔質構造をもつポリエステルを作製した。多孔質構造は、SEM観察により確認した。また、含溶媒状態において逆オパール構造に特有の構造色が観察された。その反射特性については、反射測定用高分解能ファイバ分光システムを用いて調べた結果、ブラッグ則からの予想されるものとよい一致が見られた。更に、フォトニックバンド計算を行い、多孔質体の作製過程における反射特性の変化について検証した。
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