2007 Fiscal Year Annual Research Report
生分解/pH応答が可能なフォトニックデバイスの開発とインプラント型DDSへの応用
Project/Area Number |
18500369
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
内田 熊男 Kinki University, 理工学部, 教授 (40088464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤島 武蔵 近畿大学, 理工学部, 助教 (90388497)
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Keywords | 生体材料 / フォトニック結晶 / 薬物放出システム / インプラント / 高分子ゲル |
Research Abstract |
高い全身性副作用をもつ抗がん剤を腫瘍部位へ集中的かつ持続的に必要量だけ投与するドラッグデリバリーシステム(DDS)の開発は、現在のがん治療が抱える問題を解決するための鍵を握るものである。本研究では、外部刺激答への高速自律応答と生分解による薬物放出ができ、非侵襲的手段でそのモニタリングが可能な医用デバイスを開発し、これをインプラント型DDSへと応用することを露的とする。第1の目標は、生分解性・刺激応答性高分子ゲルを用いて、逆オパール型多孔質構造をもつフォトニックデバイスを作製することである。第2の目標は、近赤外光を用いた薬物放出の非侵襲・実時間モニタリングである。 前年度の研究成果により逆オパール型多孔質構造をもつフォトニックデバイスの多孔質構造、化学構造、反射特性が明らかとなった。そこで本年度は、in vitroにおけるデバイスの分解特性についてはじめに検討した。その結果、分解に伴い多孔質構造が崩壊し、同時に反射特性が連続的あるいは不連続に変化することが分かった。また、in vivoでの分解特性についてはデバイスをマウス皮下に挿入したところ、多孔質構造が完全に崩壊し反射ピークが消失する結果となった。また、生体適合性についても優れることが分かった。さらに、皮下埋入状態において反射スペクトルが計測可能であることを実証するために、デバイスを豚皮で被覆しその際の反射特性の皮厚依存性について明らかにした。また、デバイスにモデル薬物を担持させ分解にともなう薬物リリース実験を行い、反射特性の変化との相関関係について検討した。
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