2006 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の姿勢制御における頭部眼球運動の影響と筋シナジーの研究
Project/Area Number |
18500394
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
福島 順子 北海道大学, 医学部, 教授 (40208939)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅賀 忠義 北海道大学, 医学部, 助教授 (60241387)
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Keywords | 予測的姿勢制御(APA) / 頭部眼球運動 / 足圧中心(COP) / 筋電図 / 拮抗筋 / 筋シナジー / UCM analysis |
Research Abstract |
予測的姿勢制御(Anticipatory Postural Adjustment APA)は、随意運動に先立って姿勢筋に筋活動が出現するものである。本研究者らは、(1)対象物を目でとらえるような頭部眼球運動でのAPA、および(2)筋活動のパターン(筋シナジー)について研究を行った。(2)に対して本年度は、予備的実験として従来報告例のある課題で行い確認した。 (1)頭部眼球運動でのAPA 下方50度の視標に対して頭部を動かして見るときに、頭部運動に平均20ms先行して足圧中心の移動が、若年健常者の85%で一定して見られた。上方、側方のそれぞれ50度、60度の視標に対しては、平均して30〜70ms頭部運動に遅れて出現していた。眼球運動だけでは足圧中心の移動は出現しなかった。下方視のときにのみ出現する理由は、頭部回転の軸が上部頚椎にあるため、頭部回転のモーメントが最大になるからであろうと考えられる。これらの所見は,"Postural Control during Downward Head Movements in Young Subjects"の論文として投稿中である。 (2)筋シナジー 若年健常者を不安定な床面上に立たせて、手にもった錘を急速に放すという課題での姿勢筋の筋活動(脊柱起立筋vs.腹直筋、大腿二頭筋vs.大腿四頭筋、ひふく筋vs.前脛骨筋)を5日間連続して記録し、M-modeの同定、ヤコビアン行列、UCM analysisを行った。背側と腹側の筋群を比較すると、初日にはこれらの拮抗筋同士の共同収縮が見られたのに対して、訓練を重ねるに従って共同収縮は減少し、UCM analysisにより検討するとUCMの分散が直交成分の分散を大きく越え、足圧中心の安定化に望ましい方向に働いていることがわかった。
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