2006 Fiscal Year Annual Research Report
デコンディション症例における体力・体組成・栄養状態の変化と運動療法の意義
Project/Area Number |
18500396
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
八幡 徹太郎 金沢大学, 医学部附属病院, 助手 (10334781)
|
Keywords | リハビリテーション医学 / 廃用症候群 / 低栄養状態 |
Research Abstract |
平成18年度は症例データ収集の年度としてその目標症例数を20〜30例と見積もっていたが,平成19年3月1日現在の検討症例数は計36例にのぼり,うち必要とするデータが全てそろった症例は21例であった.すなわち,症例データ数については当初の目標数を達成できている. 本研究に携わる時間としてはおよそ5〜7時間/週であり,これも当初の予定通りである. 現時点でのデータを分析(握力,10m歩行試験,立位バランス試験,反復起立試験およびBarthel Indexに対し,各種体組成項目(筋肉量・推定骨量・脂肪量・体水分量・基礎代謝量)の相関性などを検討)したところ,体組成値が全般的に低い患者では各種運動指標の改善があってもBarthel Indexは停滞経過を示す傾向がみられた.全般的に低い例では能力障害の効果が現れにくいか,運動能力の改善があるレベルで頭打ちするようであると考察している.以上の中間結果については平成19年度に発表予定としていた学術集会の演題内容としてまとめ,現在2つの学術集会(平成19年6月;日本リハビリテーション医学会学術集会.同じく平成19年6月;World congress of International Society of Physical and Rehabilitation Medicine)で採択されており参加者の意見を拝聴したい. 今後の分析では,なぜ体組成値の低い患者で能力改善が悪いのかを明らかにしたいが,現在個々の症例の栄養状態分析を後方視的にすすめており,栄養状態の良し悪しとの相関性が見いだせる可能性があると推察している.これを肯定する結果がえられれば,栄養状態に応じた運動療法アプローチのあり方を提案する必要性が生じ,また前方視的には,体組成値の低い症例に栄養状態改善を積極的に併用させた運動療法の効果を検討する必要が生じると考えている.
|