2008 Fiscal Year Annual Research Report
デコンディション症例における体力・体組成・栄養状態の変化と運動療法の意義
Project/Area Number |
18500396
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
八幡 徹太郎 Kanazawa University, 附属病院, 助教 (10334781)
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Keywords | リハビリテーション医学 / 廃用症候群 / 低栄養状態 / 運動療法 |
Research Abstract |
平成18〜19年度、約120例のdeconditioning患者(以下廃用患者)のデータ収集(運動能力<10m歩行試験・立位バランス試験・反復起立試験>、ADL<Barthel Index>、体組成<体重・体脂肪・筋肉量>、血液データ<TP値・Alb値等>、食欲、投与栄養量)を行えたが、うち解析に十分なデータのそろっていた69例を対象に、平成20年度はデータ整理・分析を行った。男性34名、女性35名、平均年齢73.6歳(55〜92歳)、リハ治療期間は平均9.3日(4〜15日)であった。経口栄養量が不足する患者では、不足分は非経口的に補われていた。【結果】リハ治療開始時において;#1体組成が低い場合、リハ治療期間中の運動能力の回復が遅い傾向あり;#2 TP値・Alb値は、リハ治療期間中の運動能力・ADLの改善度とは無関係。リハ治療期間中において;#3体組成は、リハ治療期間中、どの症例でも顕著な変化を認めず;#4 TP値・Alb値の変化は、リハ治療期間中の運動能力・ADLの改善度とは無関係;#5食欲の程度は、リハ治療期間中の運動能力・ADLの改善度とは無関係。【考察】#1、2より、低栄養状態に加えその影響が体組成に及ぶほどの場合、これは運動能力・ADL改善に対しマイナス因子としての影響が大きいと推察されたが、この状態をTP値・Alb値のみで把握するのは困難と考えられた。また、#4、5より、リハ治療期間中のTP値・Alb値の変動や食欲の状態によって運動能力・ADLの改善度は推察困難と考えられた。また、体組成が変化しなくとも(#3)あるいは総栄養投与量が満たされていても、運動能力・ADLは変化に富むことが示されたが、このことから廃用患者では、運動能力・ADLの改善には筋肉量増加以外の要因(スキルの向上など)の関与が大きいと推察された。
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