2006 Fiscal Year Annual Research Report
立位での足底特定部位への電気刺激による体性感覚誘発電位に及ぼす注意の影響
Project/Area Number |
18500397
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
浅井 仁 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (50167871)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 勝夫 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (60190089)
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Keywords | 立位 / 足底 / 体性感覚誘発電位 / 注意 / リハビリテーション |
Research Abstract |
立位位置の知覚には、足底圧情報が重要であると考えられる。それゆえ、立位位置を知覚する状況では、脳内における足底からの体性情報処理の様相が特異的に変わる可能性が推察される。今年度の研究は、立位における足底への電気刺激時に選択的注意課題を課すことによって誘発電位の振幅が増大するという仮説を証明するために実施された。 被験者は20から46歳の健常成人8名で、実験についての説明を受け、同意して参加した。電気刺激装置(ユニークメディカル、NS-101)を用いて右側中足骨骨頭部に1Hzで持続時間0.2msの矩形波による2種類の電気刺激(非標的刺激(確率60%、感覚閾値の1.8倍)と標的刺激(確率40%、非標的刺激の強度との違いが知覚できる最小の強度))が加えられた。電気刺激よる体性感覚誘発電位は脳波アンプ(NEC 6R12)で増幅され、A/D変換器を介してコンピューターに入力された。刺激条件は、1)刺激のみ(コントロール)、2)標的刺激の回数を心の中で数える(数唱課題)、3)標的刺激に対して右手のIII、IV、及びV指を速やかに屈曲する(反応課題)-の3つである。これらの条件は座位と立位とで課され、合計6つの条件をランダムな順番で遂行した。各条件とも1セット60回の刺激を90秒間の休憩を挟んで5から7回繰り返し、合計120から150回の加算波形を得た。分析は非標的刺激時の波形について、刺激後200msまで行った。 座位および立位姿勢ともP30の振幅が、コントロールに比べて反応課題で増大する傾向が認められ、その傾向は立位において著しかった。このことから、下肢においても手指への電気刺激と同様に刺激部位に注意を向けることによって、刺激対側の一次知覚野近傍から出現すると考えられている刺激後30ms以降の波形の振幅が増大することが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)