2006 Fiscal Year Annual Research Report
核動態からみた廃用性筋萎縮後の荷重効果における加齢の影響
Project/Area Number |
18500398
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
横川 正美 金沢大学, 医学系研究科, 助教 (80303288)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 俊明 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (00220319)
立野 勝彦 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (40092788)
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Keywords | リハビリテーション / 老化 / 細胞・組織 |
Research Abstract |
本研究は理学療法の場で遭遇する、疾患の発症-安静臥床-廃用性筋萎縮の発生-安静の解除-立位練習(荷重)の施行という一連の流れを想定している。高齢者では加齢に伴う筋量の減少に加えて、疾患の発症などで活動性が低下すると筋萎縮が急速に進行するとされている。高齢者の骨格筋組織の反応が若年者と異なるのであれば、不活動期間中の運動療法も高齢者により適した方法を検討する必要がある。荷重は自重を利用した負荷であると同時に、言語的指示が理解されにくい症例に対してもセラピストによる介助、あるいは起立台など機械を利用して施行することが可能な利用範囲の広い治療手技である。しかし、廃用性筋萎縮の進行や荷重効果における加齢の影響に関して、メカニズムが十分明らかにされているとはいいがたい。本研究では積極的な自動運動が困難な状態下で施行される荷重効果について、筋線維の形態学的変化と加齢の影響を詳細に検索し、高齢者の筋機能低下予防や維持を考える根拠とするため計画した。 具体的には、動物モデルを用いて廃用性筋萎縮後に荷重を施行し、加齢による反応の違いを核動態、荷重に伴う細胞の形態学的変化と組織化学的変化から検討することとした。本年度は3ヶ月齢と8ヶ月齢のラットで、それぞれ、a)懸垂群(常時懸垂飼育)、b)荷重群(懸垂飼育し、1週間後より1日1時間後肢を下ろして荷重)、c)コントロール群(通常飼育)の3つの実験群を設け、ヒラメ筋および長指伸筋の凍結固定切片を作成した。筋の核動態評価の一つとして行う筋衛星細胞増殖の測定はBrdU標識にて行うが、筋組織標識のための最適時間に関する報告は少なく、本年度は標識時間をいくつか設けて作成した標本切片の染色を行い、最適な標識時間を決定した。形態学的分析は作成した標本切片をATP染色し、筋線維横断面積を測定中である。
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