2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18500401
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
赤松 智子 佛教大学, 保健医療技術学部, 教授 (80283662)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福山 秀直 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90181297)
川又 敏男 神戸大学, 医学部, 教授 (70214690)
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Keywords | パーキンソン病 / 認知 / 遂行機能 / 意思決定 / 刺激反応適合性 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、脳機能賦活試験を用いてパーキンソン病Parkinson's Disease(PD)の認知情報処理過程について神経科学的に検証するとともに、PDの眼球運動と精神、認知機能の特性を取り入れた認知リハビリテーションプログラムを作成、実施し、その効果について検討後、PDのリハビリテーションアルゴリズム開発に役立てることである。 本年度は、視覚、聴覚、混合刺激条件下における意思選択行動から認知情報処理機能の特性を把握するため携帯型パーソナルコンピュータを利用した課題を作成し、PD患者30名と、年齢、性別、教育、知的機能が等しい健康な高齢者(healthy controls ;以下HC)20名に実施し、課題回答時の反応時間と誤数率を測定換算し両群を比較検討した。反応時間の比較では、PD特有の症状である動作緩慢による影響を考慮した時間を算出した上で解析を行った。また、意思選択行動の要素には、課題ルールに頂応する条件とルールに反する条件を準備していた。PD患者はルールに順応する条件下では、反応時間や誤数率はHCの結果と統計学的には同様の結果を示していた。一方、ルールに反する条件における反応時間の結果では、聴覚刺激下においてHCより延長しており、誤数率においては単一及び混合刺激の全ての条件下で統計学的に有意に増加し、PD患者は刺激反応適合性の影響を受けやすいことが示唆された。また、視覚、聴覚の単一の刺激時と混合刺激状況を比較した場合には、PD患者はHCと同様に時間の短縮が見られたが、誤数率は増加する傾向が多く、特に視覚刺激の影響を受けやすいことが示唆された。以上の結果からPD患者の認知リハビリテーションには、視覚状況下の刺激反応適合性の利用が考えるが、疾病特有の視覚認知の問題もあるため注視点検出ユニットを用いて個々の眼球運動の特性を把握し、今後は検討していく予定である。
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