2006 Fiscal Year Annual Research Report
血行障害に伴う下肢切断者の新しいリハビリテーション:日本における前向き研究
Project/Area Number |
18500406
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
木村 浩彰 広島大学, 病院, 講師 (60363074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 義広 広島大学, 病院・理学療法士長 (60397958)
永冨 彰仁 広島大学, 病院・医師 (80365395)
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Keywords | 義足 / 断端訓練 / 下肢切断 / リハビリテーション / 下肢血行障害 / 義足歩行 / 義足ソケット / 創治癒 |
Research Abstract |
本年度は下肢血行障害に対する新しい包括的下肢切断手技を確立し実際に施行した。また、前向き研究のためデータベースを構築し、下肢切断者の情報を入力した。 1.包括的下肢切断手技の確立 (1)手術手技:Perssonらの報告に基づきSagittal flapによる下腿切断を行なう。 (2)断端訓練:術直後からOssur Rigid Dressingによる断端固定を7-9日間行なう。その後、シリコーン製ライナーによる断端の圧迫療法を開始する。ライナーは断端周径を元に同径サイズか1サイズ大を選択する。ライナーの径は1.5-2cm刻みに7種類ある。創治癒が遷延する場合、創の湿潤環境を維持するため被覆材で創を保護する。 (3)義足作製から早期歩行訓練:術後3-4週後、断端の収縮がプラトーとなり、断端成熟が得られた時点でICE-Xカーボンファイバーソケットを採型し、直後から切断側に下腿義足を装着し歩行訓練を開始する。 2.包括的下肢切断手技および早期リハビリテーションの実際 包括的下肢切断を本年度に4例行った。男性3例、女性1例(50-76歳、平均62.3歳)で、血行障害の原因疾患は、閉塞性動脈硬化症2例、糖尿病1例、強皮症1例であった。強皮症例は断端の創治癒まで202日かかったが、他症例は15-19日平均17.3日で創治癒が得られた。義足採型まで22-43日平均31.8日で、全例同日より切断肢に義足を装着し歩行訓練を行った。手術から退院まで27-85日平均52.3日かかった。 3.データベースの構築 スウェーデンのEmpower Health Care Solutions社と開発した下肢切断者のデータベースに下肢切断者の情報を入力する。データベースには、下肢切断者の術前情報から手術手技、理学所見、断端訓練の方法、義足形式、リハビリテーション内容、歩行能力などを記録する。記録方法は将来前向き研究が可能となるよう、決められたチャートに記入する方式で、オンラインで常時記入できる。
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