2007 Fiscal Year Annual Research Report
血行障害に伴う下肢切断者の新しいリハビリテーション:日本における前向き研究
Project/Area Number |
18500406
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
木村 浩彰 Hiroshima University, 病院, 准教授 (60363074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 義広 広島大学, 病院, 理学療法士長 (60397958)
永冨 彰仁 広島大学, 病院, 医科診療医 (80365395)
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Keywords | 下腿切断 / 断端管理 / 義足歩行 / 下肢血行障害 / rigid dressing |
Research Abstract |
本年度は研究計画通り血行障害による下腿切断を8例に行った。 1.対象:男性6例、女性2例、22-76歳平均55.5歳。原因疾患は閉塞性動脈硬化症5例、糖尿病1例、バージャー病1例、SLE1例。 2.結果:Sagittal flapによる下腿切断施行後、Ossur Rigid Dressingを5-7日装着し、Iceross Postop Linerを3-4週間装着した。手術から21-43日平均28.3日でIce-Xカーボンファイバーソケットによる義足を作製し、同日より歩行訓練を開始した。創治癒は15-202日平均60.5日かかったが、創を被覆して義足装着し歩行を開始したため、義足歩行の開始時期には影響しなかった。手術から退院まで27-93日平均59日だった。術前の全身状態から理学所見、手術所見、術後リハ、義足所見をSMART programに沿って全例データベースに記入した。 3.米国では年間15万人以上が血行障害による下肢切断を受け、43億ドルの医療費が費やされている。本研究以前の下肢切断8例の結果と比較し、SMART programにより義足作製期間は47.5日から28.8日に減少し、入院期間も109.7日から59日に減少した。また、8例全例に下腿切断を選択し下肢切断者の歩行能力を温存できた。SMART programにより血行障害による下肢切断の医療費と生活自立に必要な社会資源コストを抑制できた。 4.SMART programに沿って下肢切断者の所見をデータベースに記載することで、下肢切断の前向き研究を実施することができた。対象は日本だけでなく、スウェーデン、ドイツ、米国と多数の国が参加しており、国や地域間の比較も可能である。本年度で研究は終了するが、来年度以降、症例を加える事で下肢切断のevidenceを構築したい。
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Research Products
(3 results)