2007 Fiscal Year Annual Research Report
動的立位バランス機能が時間帯により変動する原因の解明を高齢者の転倒予防に導く研究
Project/Area Number |
18500408
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
新小田 幸一 Hiroshima University, 大学院・保健学研究科, 教授 (70335644)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 敏泰 岡山理科大学, 工学部, 教授 (20412158)
蜂須賀 研二 産業医科大学, 医学部, 教授 (00129602)
金村 尚彦 広島大学, 大学院・保健学研究科, 助教 (20379895)
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Keywords | 高齢者 / 転倒 / 時間帯 / バランス |
Research Abstract |
身体機能評価,臨床評価,バランス評価に基づき高齢者の転倒予防運動プログラムの作成を目的に研究を行った. 1.身体機能評価および臨床評価 (1)下肢関節可動域(ROM)において午前は午後よりも特に股関節は狭かった.(2)膝伸展トルクを指標とする下肢筋力は午前の方が低いことが示唆された.(3)The timed up and go (TUG) testは,午後の方が僅かながら時間が短く,動作の俊敏性と歩行中のバランスの時間帯による差の傾向が示された. 2.床面揺動へのバランス応答では,筋放電はバラツキと欠損データのため,時間帯による差を確認できるに至らなかった.重心挙動の時間帯による大きな差は示されなかった.並行して行った椅子からの立ち上がり動作の解析では,午後は離臀時の膝関節伸展モーメントが大きく,より動的な動作を行っていることが示唆された. 3.日常生活上のタイムスケジュールと転倒に関する調査 午後は動き易さを実感する高齢者が多かった.各自がもつ転倒の定義に対する捉え方には差があった. 4.運動プログラムは,1〜3の結果より,(1)股関節を中心とする関節可動域練習,(2)(1)とあわせて,下肢筋に対する低めの抵抗運動,(3)立位での股関節を中心とした姿勢戦略の要素を含む運動,(4)動作スピードと回転半径に変化をもたせたTUGを骨子としたものし,これを起床後早期に実施することが高齢者の転倒予防に導くうえで重要であることが示された.最終年度の来年度は運動プログラムの導入と効果検討とともに,自己始動型動作である椅子から立ち上がり,歩行を開始する動作の動的バランス特性の検討も加えて研究を進めたい.
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