2006 Fiscal Year Annual Research Report
関節リウマチの発症早期に対する治療法としての温熱療法の開発
Project/Area Number |
18500417
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
古倉 聡 京都府立医科大学, 医学部, 淮教授 (80347442)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 敏一 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (90158410)
吉田 憲正 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (30166962)
内藤 裕二 京都府立医科大学, 医学部, 淮教授 (00305575)
半田 修 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (90381970)
高木 智久 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (70405257)
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Keywords | 全身温熱療法 / コラーゲン惹起関節炎 / 炎症性サイトカイン / 血管内皮細胞 / 細胞接着分子 / 転写因子NF-kB |
Research Abstract |
我々は同じ全身病で、代表的な慢性炎症性疾患である関節リウマチに対して、コラーゲン惹起関節炎(CIA)モデルマウスを用いて、全身温熱療法の有用性を検討した。 CIAはDBA/1マウスにタイプHコラーゲン特異的モノクローナル抗体カクテルの静注とLPSの腹腔内投与により作成した。治療として、我々が独自に開発した遠赤外線全身加温装置により、マウス直腸温を41℃、30分あるいは60分間維持する全身加温を行った。この温熱療法を関節炎惹起2日前より連日施行した。効果判定については、経時的に関節炎スコア(各脚の発赤や腫脹を点数化、合計したもの)、関節の組織学的検索(炎症細胞浸潤や軟骨・骨破壊像)、関節の各種炎症性サイトカイン・ケモカイン濃度の測定、並びにそれらのmRNAレベルの変化等で評価した。 その結果、1)関節炎発症早期において、全身温熱療法により炎症は軽減された。2)また、この時、炎症性サイトカインやケモカインの変動が認められた。 この検討から、全身温熱療法は、関節リウマチの発症早期における有効な治療方法となる可能性が示唆された。 また、血管内皮細胞を用いたin vitroでの検討で、血管内皮細胞上の細胞接着分子のE-selectinやVCAM-1の発現は、温熱処理により抑制され、この現象は、温熱処理により誘導された熱ショック蛋白が、転写因子NF-kBの活性化を阻害することによることを明らかとした。
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Research Products
(1 results)