2007 Fiscal Year Annual Research Report
関節リウマチの発症早期に対する治療法としての温熱療法の開発
Project/Area Number |
18500417
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
古倉 聡 Kyoto Prefectural University of Medicine, 医学部, 準教授 (80347442)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 敏一 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (90158410)
吉田 憲正 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (30166962)
内藤 裕二 京都府立医科大学, 医学部, 準教授 (00305575)
半田 修 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (90381970)
高木 智久 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (70405257)
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Keywords | 温熱療法 / 熱ショック蛋白 / 転写因子NF-kB / 炎症性サイトカイン / IL-8 / 血管内皮細胞 / 細胞接着分子 / コラーゲン惹起免疫関節炎 |
Research Abstract |
従来、抗悪性腫瘍に対する治療法として確立された温熱療法であるが、温熱による熱ショック蛋白質(heat shock protein: HSP)誘導に着目し、本効果を良性疾患である関節リウマチに応用することを目的とした研究である。培養細胞および組織レベルにおいてHSPが誘導されることをラット、マウス、ヒトにおいて証明し、さらに温熱による抗炎症作用のメカニズムにHSP誘導が関与していることを明らかにした。細胞レベルでの抗炎症作用としては、炎症反応関連遺伝子発現に重要な転写因子であるnuclear factor-kB(NF-kB)の活性化抑制にあることを解明した。特に、血管内皮細胞においては、炎症性サイトカインによる細胞接着分子の発現が温熱処理で抑制され、血管内皮-白血球の相互反応が抑えられることが明らかとなつた。また、上皮細胞からの炎症性サイトカインの産生も温熱処理により抑制された。マウス関節炎モデルとしては、コラーゲン惹起免疫関節炎モデルを用いて温熱療法の有効性を確認し、そのメカニズムについても検討した。さらに、ヒトを対象とした臨床試験を実施するために、遠赤外線による全身温熱療法機器を開発、試作し、基礎的検討を終了することができた。以上のように、温熱療法に抗炎症作用があることは、細胞、組織、動物において確認することが出来たわけであり、今後、ヒトへの臨床応用が期待される結果を得ることができた。
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Research Products
(3 results)