2008 Fiscal Year Annual Research Report
多様な運動・姿勢経験を元にした学齢期重度脳性麻痺児の脊柱変形予防
Project/Area Number |
18500420
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
佐藤 春彦 Kitasato University, 医療衛生学部, 講師 (30274062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 剛伸 国立障害者リハビリテーションセンター研究所, 福祉機器開発部, 部長 (40360680)
岩崎 俊之 北里大学, 医学部, 助教 (70265627)
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Keywords | 側弯 / 脳性麻痺 / 理学療法 / 坐位保持装置 / 日常生活姿勢 |
Research Abstract |
寝たきりレベルの重度脳性麻痺児(CP児)は,出生直後は筋骨格に異常がないにも拘わらず,成長につれ側湾に代表される変形が著明になる.本研究では日常過ごす姿勢が,変形と如何に関わるかを調べ,以下の成果を得た. 1.拘縮の要因である『動かず固定した肢位』がどの程度連続するか,また,その時間帯はいつかを明確に記述するウエラブル小型センサを使った24時間体位体動計測を確立した.これまで,24時間に渡る姿勢の記録はもっぱら観察に基づき行われてきた.観察は記録者に負担を強いるだけでなく,記録者間で判断が異なる場合もあり正確性に問題があった.われわれが構築した小型の傾斜角度センサと加速度センサを使用した記録システムは,体幹がどの方向に向いているか,そして,どれだけ動いているかを正確に把握できるもので,被験者,記録者双方とも負担を強いずに日常生活姿勢を計測することを可能にした. 2.在宅で生活する寝たきりレベルのCP児13名(男性:7名,女性6名,平均年齢8.3±4.7歳)を対象に24時間体位体動計測を行い,これらの児では睡眠中の寝返り,体動が極端に少ないことを明らかにした.13名中6名では平均して約8時間の睡眠中に寝返りをまったく見せず,また,体動もわずか1回から4回見られるのみであった。 3.文献調査から,変形予防として夜間にポジショニングを中心とした介入を行っている施設は国内・国外にいくつかあるが,その効果は明確に示されていないことが判明した.その理由として,長期に経過を追わなければ効果がはっきりしないこと,対象となるCP児の人数が1施設では限られてしまうなどが考えられた.
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Research Products
(2 results)