2006 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ浮腫に対する圧迫療法の効果と生理学的機序に関する研究
Project/Area Number |
18500421
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
辻 哲也 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (90245639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
里宇 明元 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (60146701)
村岡 香織 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40327648)
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Keywords | 悪性腫瘍 / リンパ浮腫 / 乳癌 / 婦人科癌 / 子宮癌 / リンパ節郭清 / バンデージ / リンパドレナージ |
Research Abstract |
【目的】当科ではリンパ浮腫外来を開設し、リハ治療を行なっている。本研究の目的は当外来の新患患者の実態調査を行うこと、上肢下肢の治療効果を検討することである。 【方法】2006年1月から12月までのリンパ浮腫外来初診患者81例を対象に後方視的に調べた。スキンケア、セルフドレナージ指導と並んで治療の柱である圧迫法の種類別に治療効果を比較した。 【結果】平均年齢58.4±13.6才、全例女性。術後〜浮腫発症までの期間は中央値11ヶ月(直後〜33年)。浮腫の部位は上肢10例、下肢71例。原疾患は子宮癌術後51例、卵巣癌術後11例、乳癌術後10例、特発性3例、その他6例。受診の経緯は紹介受診71例(当院婦人科44例・形成外科12例・外科8例、その他7例)、直接来院10例。下肢浮腫患者71例のうち2回以上受診し治療した患者は48例で、浮腫はグレード1と2が半々であった。圧迫法を施行されたのは40例でバンテージ群12例、圧迫衣類群14例、併用群14例であった。下肢周径はバンテージ群・併用群において治療前後で有意な改善を認めた。蜂窩織炎はいずれの群でも頻度が減少した。 【考察】当院では婦人科癌に対して婦人科と当科が連携して取り組んでいるため下肢リンパ浮腫患者が多いことが特徴的であった。浮腫発症からの経過の長い症例でも、積極的な介入により改善を認めることが示された。リンパ浮腫に対する医療の取り組みはいまだ不十分であり緩和医療領域でも積極的な取り組みが望まれる。
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Research Products
(12 results)