2006 Fiscal Year Annual Research Report
パラメーター記憶機能付パワーアシスト型機能的電気刺激によるリハビリテーション
Project/Area Number |
18500425
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
原 行弘 日本医科大学, 医学部, 助教授 (20198899)
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Keywords | 脳卒中 / 機能的電気刺激 / 片麻痺 / リハビリテーション / 神経機能 / 再構築 |
Research Abstract |
脳卒中片麻痺上肢の機能改善をめざして様々な治療的電気刺激が行われてきているが、脳卒中後片麻痺の上肢麻痺は特徴的な共同運動パターンから脱却できず、著しい巧緻運動障害を認めることが多い.一方、各関節の固有感覚入力刺激は、中枢神経に感覚運動統合の再構築を促す有効な入力刺激といわれている.本研究では、導出した筋活動電位に比例して電気刺激が行われるパワーアシストタイプの機能的電気刺激を用いて、脳卒中片麻痺上肢の機能改善効果を検証する。 パワーアシスト型機能的電気刺激の特徴を示す. (1)「いままでにないclosed-loop control systemであり、緻密な制御が可能で運動学習ができる. (2)「装着・操作も容易であり、患者個々の電気刺激パターン設定をポータブル機器に記憶させ、家庭で毎日長時間使用可能である. (3)「同一筋肉部位にて筋活動電位測定と電気刺激を行うので誤動作がない. 研究方法:発症後約1年経過した脳卒中片麻痺患者10例を以下の2群に5例ずつ割りあてた. 1:手関節伸展・手指伸展促通グループ:1.手関節伸筋群,2.総指伸筋,3.固有示指伸筋を電気刺激. 2:肩関節屈曲促通グループ:1.三角筋前部線維,2.上腕三頭筋.麻痺筋を電気刺激. パワーアシスト訓練群は2週に1度来院し、電極固定位置、機器の筋電感度および刺激強度の設定を再確認し、4ヶ月間の訓練を行った.被験者毎に機器使用の安全性、使用簡便性の確認とともに、上肢片麻痺機能評価(Stroke Impairment Assessment Set(SIAS))、Modified Ashworth Scale(MAS)、各関節の自動的関節可動域、各被検筋肉の最大収縮時3秒間のRoot Mean Square(RMS)、臨床機能評価(10カップ移動テスト、9-ペグテスト)のパワーアシストTES訓練施行前後における改善度を評価し、対照群10例と比較検討を行った結果、パワーアシスト訓練群のほうが自動的ROM、RMS、巧緻動作機能改善が顕著であった. このようなニューロリハビリテーション上の促通効果は、体性感覚入力増加と麻痺手の随意的運動促通の両方が相乗効果をもって、脳機能の再構築が関与している可能性が推察された.
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Research Products
(3 results)