2006 Fiscal Year Annual Research Report
遊びの要素を持った脊髄性筋萎縮小児のコミュニケーション補助システムの開発
Project/Area Number |
18500432
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
水谷 好成 宮城教育大学, 教育学部, 助教授 (40183959)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 由則 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (90261643)
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Keywords | 筋萎縮症 / 拡大・代替コミュニケーション / 生活支援技術 / 進行性脊髄性筋萎縮症 / ヴェルドニッヒ・ホフマン症 / コミュニケーション補助装置 / VOCA / SMA |
Research Abstract |
進行性脊髄性筋萎縮症(SMA : Spinal Progressive Muscular Atrophy)の幼児・小児を対象にした,コミュニケーション補助装置の開発には,対象児の発達段階を考慮する必要がある.本研究では,遊び感覚を取り入れることで,対象児の知的な発達を促進させる効果も持たせたシステム開発を行った.SMA児2名(もりおか子ども病院)に対して,光や音,動きがするおもちゃをスイッチ入力(対象児に合わせて開発したマイクロスイッチ入力装置)で操作するという「遊び」を経験させる過程を経て,コンピュータを使った補助システムの適用に移行した.このシステムでは,「選択」という概念を獲得することを目的の一つとした.対象児の手指・足指のわずかな動きを負荷の小さなマイクロスイッチで検出し,「できマウス。」を使ってUSB経由でノート型PCに信号を取り込んだ,コミュニケーションの確立していない段階では,対象児がシステムを理解してスイッチ押しをしているか否かは,正しいと思われる選択肢を選んでいるかどうかで判断することになる.初期段階で適用した「図形の形合わせゲーム」では,不正解の図形を選択しないことで意図的なスイッチ押しを行っており,課題の意図を理解していると判定できた.この結果を受け,「はい/いいえ」を選択するためのシステムの開発と適用を行った.インジケータを利用した1スイッチ入力方式と左右の手指の動きを利用する2スイッチ入力方式の両方ができるシステムとした.さらに,出力としてVOCAの機能も付けた.適用者の声掛けに対するスイッチ押しのタイミングから,開発装置の試験的な適用ができた対象児(1名)では,「はい/いいえ」を区別して選択していると判断できる結果が得られた,今後,病室の限られたスペースで利用できるように試作システムを改良することで,「はい/いいえ」を使ったコミュニケーション確立の基礎段階が整うことになる.
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Research Products
(6 results)