2007 Fiscal Year Annual Research Report
生体電気インピーダンス計測法を利用した褥瘡管理デバイスの開発
Project/Area Number |
18500433
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
會川 義寛 Ochanomizu University, 大学院・人間文化創成科学研究科, 教授 (50111563)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 裕治 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 准教授 (50203807)
新妻 淳子 国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所, 運動機能障害研究部, 研究員 (60360682)
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Keywords | 生物・生体工学 / 医療・福祉 / 看護学 / 計測工学 / 解析評価 |
Research Abstract |
電気インピーダンス計測を利用した初期褥瘡の検出技術の確立にむけて本年度は以下を実施した。(1)昨年度ならびに本年度に実施した,アルコールパッチテストを利用した初期褥瘡モデルにたいする電気インピーダンス計測結果を雑誌論文として取りまとめ、査読付き国際誌であるJ Tissue Variability誌に投稿し掲載が決定した。なお,審査過程でレビュアーからは褥瘡組織とモデルの同一性に関する指摘があり,ヒト実験に加え動物実験の実施が必要であったが実験承認に時間が求められた為平成20年度に実施することとした.(2)褥瘡組織の電気インピーダンス計測方法に関し,4電極法ならびに2電極法による計測手技を確立した.また,従来の交流電流による計測方式に加えて,パルス電流による直流計測方式を確立した。これは従来方式と比較し簡便な計測方式であること,また,計測時間の短縮が見込めるため臨床応用に有用と考えられた.(3)褥瘡組織の電気的等価モデルとして,より実際の皮膚の計測データを表現し得るモデルを開発した。すなわち,従来,2つの抵抗とコンデンサを並列に接続した等価回路を用いてきたが,多くの生体材料では実測値のコール軌跡が複素平面上の第4象限で完全な半円とならず軌跡の中心が第1象限にずれることが認められることから,円弧中心値を移動させる要素としてCPE(定位相成分)を導入したモデルを確立した.また,モデルをヒト前腕皮膚の計測データにあてはめパラメータを同定した.これにより実際の皮膚や皮下組織の電気インピーダンス特性をより正しく表現することのできるモデルを確立することができた.以上の成果を踏まえ平成20年度に動物実験を実施し,褥瘡組織の顕微鏡観察結果と電気インピーダンス計測結果の比較を行うことで,デバイスの開発に向けた研究を実施する.
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Research Products
(2 results)