2008 Fiscal Year Annual Research Report
操作者の残存能力に適合した操作装置と操作支援機能を有する知的電動車椅子の研究
Project/Area Number |
18500437
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
安田 寿彦 The University of Shiga Prefecture, 工学部, 准教授 (60157998)
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Keywords | 生活支援技術 / 自立支援 / 人間機械強調系 / 知的電動車椅子 / 操作装置 / 衝突防止 / ボタン式操作装置 / ファジィ理論 |
Research Abstract |
従来から電動車椅子操作に常用されているジョイスティックの操作が困難な方が,押しボタンあるいはレバー式操作インタフェースを用い,屋内を実用的に走行できる電動車椅子を試作した.押しボタンやレバーを用いて操作する電動車椅子においては,操作インタフェースから入力される操作指令が限定される.したがって,操作支援機能の補助がない状態では,走行経路の狭い屋内の移動において実用性に課題がある.「機体形状と走行機構を操作インタフェースに適した形態」とし,さらに,「操作者の操作能力と電動車椅子の走行能力に適応した操作支援機能」を付加することによって,試作した電動車椅子が屋内用移動機器として使用できることを示唆した.また,ファジィ理論を応用した操作指令と操作支援指令の融合によって,快適な走行を実現できた.これらの研究によって,「操作者の残存能力に適合した操作インタフェースの利用」,「操作インタフェースによって決定する“車椅子の走行能力"に適合した電動車椅子の形態の形成」,そして「操作者の操作能力と電動車椅子の走行能力に適合した操作支援機能の融合」という道筋によって操作者の残存能力に適合した知的電動車椅子の実現が可能となることを示すことができた. 重度障害児の治療を職務としておられる療法士との連携を進める中で,全方向移動機器の発達障害への応用の可能性を指摘された.全方向移動機器用の駆動ユニットを作成し,さらに,「膝立ち」,「椅子に座った姿勢」あるいは「立位」で操作するための操作インタフェースを試作し試験走行を実施した.立位での移動は,歩行しているときとほぼ同じ目線の移動体験を可能とするので,重要なインタフェースである,「通常の車椅子の運動モード」と「全方向運動モード」を切り替えなしで操作できる操作インタフェースを作成し,実機による走行実験によって,試作したインタフェースの有効性を確認した.
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Research Products
(6 results)