2006 Fiscal Year Annual Research Report
介護保険施設における介護士のコミュニケーション支援の方法に関する研究
Project/Area Number |
18500438
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
坊岡 峰子 県立広島大学, 保健福祉学部, 助手 (80405521)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本多 留美 県立広島大学, 保健福祉学部, 講師 (10290553)
金子 努 県立広島大学, 保健福祉学部, 教授 (70316131)
|
Keywords | コミュニケーション障害 / 介護士支援 / 言語聴覚士 / コミュニケーション スキル |
Research Abstract |
1.研究方法 本年度は,A老人保健施設において本研究で開発中の「介護士のコミュニケーションスキルアッププログラム」により支援を実施した.対象はコミュニケーション障害のある利用者4名,介護士7名とし,利用者と介護士1対1の実験的な会話場面を設定した.会話には本研究で開発した会話素材提供ソフトを使用し,会話場面をビデオに録画した.会話のペアは支援を行わないコントロール期およびコントロールケースも含め8ペアを設定し,各ペア2〜6回の会話場面を撮影した。 介護士のコミュニケーションスキルを評価するために,介護士本人と研究者以外の言語聴覚士3名が,撮影した会話場面を観察しながら,本研究にて開発した「コミュニケーションスキル評価票」を用いて評価を実施した.また,本研究による支援の効果が利用者の日常生活に及ぼす影響を検討するため,介護士にアンケートを依頼し分析した.さらに,本支援プログラム内容に関する感想・評価を得るため,介護士にアンケートを依頼し分析した. 2.成果 介護士と利用者の会話場面を支援前後で比較した結果,ほぼ全ケースで支援後に介護士のコミュニケーションスキルの向上がみられた.また,利用者の日常生活では,支援後に集団活動への積極的な参加が増加するなどの変化がみられた.本支援の実施内容に関しては,コミュニケーション障害者を理解し,またコミュニケーションスキルを習得する上で有効であるという評価であった.さらに本支援の実施により,利用者に関する新たな情報を得る機会にもなっており,本支援は介護の質を上げるうえでも効果があると考えられた. 3.今後の研究計画 今後は,会話場面の詳細な分析による支援の効果評価を実施すると同時に,本研究者以外の実施者による支援効果の検討およびデータ数を増やし,支援効果をさらに検討していく予定である.また,今年度得られた成果を論文にまとめていく予定である.
|