2006 Fiscal Year Annual Research Report
安全で快適な車いす走行を実現するための定量的評価システムに関する研究
Project/Area Number |
18500445
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
高見 正利 神戸学院大学, 総合リハビリテーション学部, 教授 (30341077)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
糟谷 佐紀 神戸学院大学, 総合リハビリテーション学部, 講師 (90411876)
黒田 大治郎 神戸学院大学, 総合リハビリテーション学部, 教授 (50309663)
奥 英久 神戸学院大学, 総合リハビリテーション学部, 教授 (30248207)
米田 郁夫 東洋大学, ライフデザイン学部, 教授 (50426540)
橋詰 努 兵庫県立福祉のまちづくり工学研究所, 研究第三課, 主任研究員 (00435900)
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Keywords | 医療・福祉 / リハビリテーション / 人間生活環境 / 計測工学 / 都市計画・建築計画 |
Research Abstract |
車いすに対する道路のバリアフリー化の定量的評価システムを開発中である。平成18年度は実験環境の整備、計測システムの検証、ヒトが乗車した場合とダミーを搭載した状態での走行特性、各種路面上を走行した時の人体全身振動暴露とトルクの計測およびアンケート調査を行い、これらの分析を進めながら走行特性評価指標の作成を開始した。 実験のための屋内走行路を10m、各種形状の実験路と助走路を構成して設置した。計測はJIS B7760に従って、車いすのシートに3軸振動計のセンサーを敷き、その上にヒトあるいはダミーを着座させて各路面上を直線走行したものを各条件につき10秒間3回行った。トルク計測値は段差の高さに対して線形特性となった。手動車いすによる計測値と比して20〜30%の差異はあるが、変換係数を設定することによって換算が可能になる。定常走行時のトルクは路面が粗いほど、また走行速度に比例して高くなることもわかった。 座面から受ける全身振動(加速度振動の実効値)は、走行路面が粗くなるに従って増加した。多いものでは1m/s^2、少ないものでも0.1m/s^2であった。特に鉛直成分が最も多く、左右、前後の順で続いた。これも速度増加に従い増えるが、割合は鉛直成分が桁違いに大きかった。車体そのものの振動は少なかったが座面振動は大きかったことから、振動は体幹へ伝達することにより増幅されていることが窺えた。 JIS B7760によれば、全身振動暴露の強度として1m/s^2で4時間、0.5m/s^2で8時間余受けると健康危険領域に入る。車いす利用者の振動低減化は早急に取り組むべき課題であることが分かった。本システムにて検出したトルクと振動、その他の計測値は路面評価に活用でき、さらは実験路路面の各形状が走行感覚に代わる1種の尺度とみなすことによって比較の基準に使うことができることが確かめられた。
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