2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18500451
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
米田 継武 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 教授 (10053258)
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Keywords | 隋意運動 / ballistic収縮 / フィードフォワード制御 / 神経的可塑性 / 皮質プログラミング / 運動準備電位 / 運動単位 / 動員 |
Research Abstract |
投げる、打つ、跳ぶなどの運動の基本要素に物体を打ち出す作用がある事を考慮し、そのための筋活動に着目して研究を開始した。この筋収縮は瞬時でballistic収縮と呼ばれている。本研究は隋意運動としてのballistic収縮の特性を検討しその中枢神経機序を解明しようと言うものである。本年度は力発揮過程のパラメータと筋電図上の放電量、周波数特性の関連から一般特性の抽出を狙いとし、さらに筋力調節への皮質機能の関わりを解明する手がかりを得ておくために、筋電図法の一種である微細ワイヤ電極挿入法により運動単位活動記録と脳電図を関連付けた研究も並行して行った。以下に発表成果を述べる 素早い隋意運動(ballistic収縮による)の正確さは長期間トレーニングで効果があることは確認して来た。最近、短時間でも運動中枢に変容が見られるという報告があった。それならば皮質プログラミング依存である素早い筋力発揮の正確さ課題にその日のトレーニングでも効果が確認できるはずである。運動学的検討の結果、正確さには向上は見られなかったものの、収縮時間短縮という明瞭な改善が認められていた(11項.研究発表の1番目)第1、2実績は現在投稿準備中 先の結果が得られる機序は神経制御の結果の筋電図に表象されるはずであるという仮説の検証を行った。筋電図解析の結果、筋の放電持続時間が短縮が明瞭だった、すなわち神経指令がコンパクトな構成に変化した事が示唆された(11項.研究発表の2番目)。なお周波数特性解析は継続中である。 随意的筋力発揮の神経メカニズムは大脳皮質運動野の活動が一義的に重要である。素早い運動をやや離れながら、基本的な筋力増強中の運動単位活動がそもそも運動野直接支配によるものかどうかを、従来知られていた運動準備電位を指標に検索した。個々の運動単位活動電位の動員開始をトリガーに平均加算された皮質の運動準備電位は、個々の運動単位と言うより全筋の活動開始時間にロックされた様式で記録された。筋力調節のための皮質活動は固有筋を全体として使用するプログラムを反映しているらしい(11項.研究発表の3番目)。
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