2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18500451
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
米田 継武 Juntendo University, スポーツ健康科学部, 教授 (10053258)
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Keywords | 随意運動 / ballistic収縮 / フィードフォワード制御 / 神経的可塑性 / 皮質プログラミング / 筋電図 / 運動学習 / 運動単位動員 |
Research Abstract |
きわめて素早い筋運動が、投・跳・打・蹴の日常動作又はスポーツ活動の基本になっていて、そのための神経的機構が主として大脳皮質本来の機能に依存するという立場で研究を進めている。基本的に運動の元になる力発生時の生理機能の解析であり、パラメーターは昨年度そしてこの先も基本的に同じで、筋電図放電量、筋電図周波数特性、および随伴する脳電位活動特性である。 昨年度までに、素早い随意的力発揮が短期1週間程度の訓練期間でもその正確さが向上するかを検証した。その結果正確さ向上は明確ではないが、筋活動時間や筋放電様式に収束的効果を見出した。そのことは神経機能上での改善があること示唆するものであった。この所見について一層の確証をえたので、9,月の体育学会に発表した。(なお、これらの所見については2つの論文をまとめ年度内の投稿を果たした) これまでの研究によって、そもそも素早い筋活動の個人差を知る必要を生じさせるとともに、共同筋の貢献の見積もりに基本的な知見を要すること、さらには素早さを決める要因は神経指令持続の時間での短さであるという見地が浮上した。そこで今年度研究は、3つの方向性をもって進められることになった。つまり、(1)素早い力発揮の所要時間が健常人の年齢別にどのような分布を示すか、(2)1関節の1動作の力発揮に働く共同筋の貢献度の差を筋電図で明らかにする、そして(3)素早い力発揮時の運動単位脱動員に関連する皮質活動電位を捉える、であった。 本年度研究は(1)の測定実験のために膝伸展動作用に)装置の一般化にまず取り組み、様々な被験者に対応可能にし、データの蓄積に邁進した。(2)は新たな基礎実験であったが、予想外に進行させることが出来て、2つの学会(国際1、国内1)に成果を発表できた。(3)の検討は、人差し指の内転動作を起こす筋を対象に検索を開始したが、力発揮(等尺性収縮)と運動(等張性または等速度性収縮)の別課題を同一の装置で実施するべく改良に時間を要したので、実験進度の低い状況ではあった。
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