2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18500453
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
水村 信二 Meiji University, 文学部, 准教授 (50267358)
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Keywords | 運動単位 / 発射頻度 / 動員閾値 |
Research Abstract |
本研究の目的は,健常者を対象として,微細な制御が求められる「上肢の小さな筋(手の筋)」および,大きな力発揮が求められる「下肢の大きな筋(大腿の筋)」において,それぞれ運動単位発射データからコヒーレンス解析を施すことにより,中枢神経系がα運動ニューロンを支配しているメカニズムの一端を明らかにしようとするものである。本年度は,下肢の大きな筋の代表として大腿の筋(内側広筋)を対象として,四極ワイヤー電極を用いて筋内電気信号を導出し,マルチテンプレートマッチング法を用いて運動単位活動電位の動員閾値および平均発射頻度を解析した。力発揮課題は,低強度(5〜10%MVC)で一定の力保持課題であった。被験者は,この条件の力発揮を20秒〜120秒間保持した。その結果,10%MVC未満の力レベルにおいても,一定の力保持時における平均発射頻度の有意な低下現象が認められた。このことは,これまで中程度以上の力保持時…において観察されてきた"twitch potentiation"に伴う平均発射頻度の低下現象が,本実験で採用したような低強度の力保持時においても認められたことを意味する。さらに本実験のような低強度の力発揮課題において,動員閾値が僅かに異なる運動単位間であっても"onionskin"現象が認められた。すなわち,同一運動ニューロンプール内の異なる運動単位活動電位間であれば,動員閾値が高いほど平均発射頻度が低く,動員閾値が低いほど平均発射頻度が高いとい1う制御様式が,10%MVC以下の低強度の力発揮においても適用していることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)