2008 Fiscal Year Annual Research Report
筋音図を用いた筋細胞(筋線維)レベルの収縮特性の分析
Project/Area Number |
18500454
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
赤滝 久美 Osaka Electro-Communication University, 医療福祉工学部, 教授 (30280811)
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Keywords | 筋音図 / 筋線維 / MMG / EMG / 誘発収縮 |
Research Abstract |
筋の収縮特性は種々の要因(疲労、トレーニング、加齢、廃用、収縮履歴)によって変化する。このため、筋収縮特性を定量かつ詳細に分析することは、筋のパフォーマンスを知る上で重要である。本研究は筋線維レベルにおける収縮特性を筋音図(Mechanomyogram:MMG)を用いて分析するものである。本研究では筋内電極を用いた単一運動単位の単収縮を誘発させ、その際のMMGを体表面上より導出し、MMGの基本特性について分析した。本年度は筋長変化に伴う筋線維収縮特性の変化と、繰り返し単収縮による筋線維収縮特性の変化をMMGを用いて記述した。まず、筋長変化に伴うMMG信号の変化では、その振幅が自然長で最大を示し、筋長が伸張または短縮するに伴って減少することが明らかとなった。このことからMMG信号は活動張力、すなわち、アクチンおよびミオシンの相互作用を反映することが示された。一方、繰り返し刺激による誘発単収縮では、同時に計測された筋電図(EMG)振幅が殆ど変化をしないにも関わらず、MMG振幅は刺激回数に伴って指数関数的に増大した。すなわち、MMGの振幅は約10回刺激で増大反応が確認され、その後、刺激回数の増加に伴って急激に増大した後、約50回近傍において一定となった。振幅の増大率は刺激頻度に依存せず、いずれも約2〜2.5倍に増大した。これら、EMG振幅の増大を伴わないMMG振幅の増大は、賦活後増強に類似した反応であると推察された。これらの結果はいずれも筋力レベルでは顕著な反応が確認されず、MMGがより敏感に筋線維収縮特性の変化を反映することを示し、筋収縮特性の分析に際しその有効性を確認させた。
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