2008 Fiscal Year Annual Research Report
水中運動時の静脈還流量から推測した心拍出量の妥当性に関する研究
Project/Area Number |
18500455
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
小野寺 昇 Kawasaki University of Medical Welfare, 医療技術学部, 教授 (50160924)
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Keywords | 水中運動 / 静脈還流量 / 心拍出量 / 水位 / 大静脈腹部横断面積 / 水圧 / 超音波エコー像 / 姿勢 |
Research Abstract |
浸水時の静脈への加圧(水圧)は,静脈還流量を促進する.細胞内液の静脈への移入は、血漿量を増加させる。水圧は水位に依存し変化する.このことから,水位を変化させた時の腹部大静脈の横断面積動態は,水位に依存するものと推測できる.静脈還流が促進されれば,静脈血が腹部大静脈に蓄積されるものと予測した.腹部大静脈横断面積は,水位変化に依存する.立位姿勢だけでなく様々な姿勢変化時にも同様の動態が生じるものと仮説を立て,腹部大静脈横断面積変化を指標にして検証を行った.被験者は,健康成人男性7名(年齢:21±1歳,身長:174±6cm,体重:67±7kg,体脂肪率:17±4%)であった.水温は30℃,室温は25℃であった.仰臥位と伏臥位における腹部大静脈横断面積を指標とし、Bモード超音波エコー装置を用いて評価した.陸上と水中で比較した.水中伏臥位時の呼吸は、シュノーケルを用いて確保した.腹部大静脈横断面積は,2.19±0.74cm^2(陸上仰臥位)、3.20±0.65cm^2(水中仰臥位)、3.60±0.43cm^2(陸上伏臥位)、4.10±0.59cm^2(水中伏臥位)であった。陸上より水中で有意に増加した.仰臥位より伏臥位において有意に増加した.すでに立位水位剣状突起時に一回拍出量増加を認めている。これらのことから一回拍出量増加は大静脈の蓄積量に依存し、かつ閾値が存在することを示唆する。一連の研究成果は,一回拍出量増加が身体に受ける水圧の容積によって決定されることを結論づける。
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