2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18500462
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山口 庸子 Nagoya University, 国際言語文化研究科, 准教授 (00273201)
|
Keywords | 独文学 / 芸術諸学 / 舞踊 / ジェンダー / 身体文化 |
Research Abstract |
申請者は、平成18年度に、アスコーナの文化史的意義の検討を含む著書『踊る新身体の詩学-モデルネの舞踊表象』(単著、名古屋大学出版会、2006年)を公刊した。平成19年度に、この著書は「これまでほとんど体系的検討がなされてこなかったモデルネ期の舞踏に焦点をあて」た「広くドイツ関連分野の裨益するところが多い業績」であることが評価され、「2006年度日本ドイツ学会奨励賞」を授与された。また、『ドイツ文学』(日本独文学会)第136号(2008年3月)の書評をはじめ、『舞踊学』(舞踊学会)第30号(2007)の文献紹介記事など、各種のメディアで取り上げられた。 平成19年度の本研究は、「エルゼ・ラスカー=シューラーアスコーナを中心に」を小テーマとしつつ、この芸術家の活動を幅広く研究し、その成果を「複製技術時代のユダヤ人・女性・詩人-エルゼ・ラスカー=シューラーのイメージ戦略」としてまとめた。また、平成19年12月のシンポジウム「1890年-1930年のドイツ語圏の文化・芸術の解体と融合」において、「コンセプトとしての<筆跡画>-エルゼ・ラスカー=シューラーにおける身体・画像・文字」と題して、ラスカー=シューラーにおける身体性の問題を、画像性・文字性の問題と絡めて論じた。さらに、平成20年3月に開催された、「世界の演出可能性」をテーマとした国際シンポジウム「第50回蓼科シンポジオン」(日本独文学会主催)において、,,,...meine norwegische Briefschaft [ist] ein Massenlustspiel": Sozial-und mediengeschichtliche Aspekte bei Else Lasker-Schulers,, Briefe nach Norwegen" と題してドイツ語で発表を行い、ラスカー=シューラーの書簡体小説『ノルウェーへの手紙』を、社会史的およびメディア史的観点から考察した。
|