2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18500462
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山口 庸子 Nagoya University, 国際言語文化研究科, 准教授 (00273201)
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Keywords | 独文学 / 芸術諸学 / 舞踊 / ジェンダー / 身体文化 / アスコーナ / エルゼ・ラスカー=シューラー / シャルロッテ・バラ |
Research Abstract |
申請者は、研究テーマであるアスコーナの文化史的・舞踊史的意義の検討を含む著書『踊る身体の詩学-モデルネの舞踊表象』(単著、名古屋大学出版会、2006年)によって、今年度「第5回日本独文学会賞 日本語研究書部門」を受賞した。受賞理由は、「これまで部分的にしか扱われてこなかった、モデルネ期の文学と舞踊との関連を博捜した研究」であることである。今年度の小テーマは、ラスカー=シューラー、舞踊家のシャルロッテ・バラのアスコーナにおける活動である。申請者は、アスコーナにおける活動も含んだ、バラの芸術的活動を概観できるような論文の作成を目指し、論文「聖なる踊り子-シャルロッテ・バラの舞踊美学における宗教性」においてその目標を達成した。本論文では、バラの生涯と作品を、写真や図版を用いて詳細に紹介し、アスコーナやヴォルプスヴェーデとの関連や、バラの舞踊美学を検討した。本論文は、日本での初のバラに関する本格的な論文であり、日本の舞踊研究に貢献ができたと考えている。またラスカー=シューラーに関しては、Brief als Medium der Transformation.Else Lasker-Schulers"Briefe nach Norwegen"と題する招待講演を、国際シンポジウムUbersetzung und Transformation(於:早稲田大学)において行った。さらに、モダニズムの舞踊において重要で、アスコーナにおける舞踊運動とも関わりの深い「輪舞」に関してAsiatische Germanistentagung 2008(於:金沢星稜大学)および名古屋大学におけるシンポジウム「欧米の市民文化の諸相」で発表した。また女性の身体文化との関連で、女子体操の一つであるMensendieck-Gymnastikに関する発表も行った。
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