2006 Fiscal Year Annual Research Report
呼吸循環-筋運動リズム間カップリングを生じる身体システムの制御規範
Project/Area Number |
18500472
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
新関 久一 山形大学, 工学部, 教授 (00228123)
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Keywords | 非線形ダイナミクス / シンクロナイズ / カフ圧負荷 / 心拍リズム / FHNモデル |
Research Abstract |
本研究の目的は、呼吸循環一筋運動リズム間のカップリング現象が呼吸循環制御系における効率最適化と関連しているかどうかを検証することにある。第一に、筋内圧変動を模擬したときに見られた循環系リズムと筋内圧変動間の同期現象が実際のリズミックな運動でも同じ原理で生ずるのかを実験的に検証すること、第二に、運動リズムと循環系リズム間に位相同期現象が見られたときに、心拍リズムと呼吸リズムとの結合関係はどのような傾向を示すのかを調べること、そして第三に、変調現象と同期現象の間の関係を定量化することにある。すなわち、複数生体リズム間の相互作用がどのような身体システム制御規範に基づいているのかについて、機能的意義の観点から解明を試みることを目的としている。今年度は歩行運動時の筋一心拍リズム間の同期現象と筋内圧変動を模擬した実験との比較を行った。歩行運動時に右足大腿部にカフを装着し、歩行運動時に伴う大腿部径の変化をカフ圧で計測し、筋内圧が最大となる時点(大腿部直径が最大となる時点と仮定)がどのタイミングで同期するか調べた。歩行運動は心拍数が120beats/minになるような強度に設定し、平均心拍数でブザーを鳴動させることで歩行リズムと心拍リズムの同期を誘導した。一方、同一被験者で大腿部カフ圧をリズミックに動脈血圧レベルの120mmHgに上昇させ、心拍リズムとカフ圧リズム間の同期を誘導した。その結果、同期する位相は双方の実験ともカフ圧ピークが心電図上のQRS波の直前か直後のタイミングであり一致していた。この同期位相は末梢部位の血圧波形から推察して末梢血流を妨げない位相であった。また、心拍一筋運動リズム間の同期現象を再現する数値モデルの開発を平行して実施した。心拍、呼吸、歩行振動子にFHNモデル振動子を用い、心拍一歩行振動子間に位相反応特性を組み込むことで同期現象を再現した。
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