2006 Fiscal Year Annual Research Report
動きの変容がもたらす身体の認識力と自己教育力の変容
Project/Area Number |
18500476
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
筒井 清次郎 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (00175465)
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Keywords | 制限的教示 / 要求的教示 / 自己教育力 |
Research Abstract |
運動指導の場面において、すべきことのみを教示する要求的教示の方が、してはいけないことのみを教示する制限的教示よりも有効であることが明らかにされている。しかし、最近の学習指導要領に記載されている「自ら学び自ら考える力を育む」ためには、すべきことを明らかにしている要求的教示よりも、すべきことを自分で考えさせる制限的教示の方が有効と思われる。そこで、自ら考えさせて、なおかつ、学習効果を高める方法として、制限的教示の後に、だから、「どうすれば良いかな」という言葉を加える、考えさせる制限的教示の有効性を検討することを本研究の目的とした。対象は、中学校のソフトボール部員で、課題はソフトボールの打撃(素振りとトスバッテイング)とした。十分な学習期間を確保するために、週2回、4週間の、のべ8回を学習期間とした。教示を与える頻度は、先行研究の知見に基づいて、50%とした。学習効果の測定は、トスマシーンからのボールを打撃したときの最大飛距離とした。学習期間終了の1週間後に行った保持テストにおいて、考えさせる制限的教示(右足が動いていないね、どうしたら良いかな)が、要求的教示(右足を、つま先を軸にして回転させてみよう)や要求・制限的教示(右足が動いていないから、つま先を軸にして回転させてみよう)よりも有効であった。このことから、欠点を指摘する制限的教示のみでは学習効果が低いとされていたが、制限的教示に加え、修正の方法について積極的に考えさせる言葉を加えることによって、学習効果を高めることができたし、自ら学び考える力を育むこともできたと思われる。
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Research Products
(2 results)