2006 Fiscal Year Annual Research Report
投動作による投射角修正過程に関する研究ー投動作意識と動きに着目してー
Project/Area Number |
18500495
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
田附 俊一 同志社大学, 社会学部, 教授 (30197389)
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Keywords | 投動作 / 投射角 / 実投射角 / 認識投射角 / 修正 / 中学生 / 高校生 |
Research Abstract |
本研究では,本学に既設のレーザーによる「リアルタイム投擲測定装置」を用いて,投擲者自身が身体運動感覚として意識した認識投射角度と実投射角度のずれが,どのように修正されていくのかを明らかにすることを目的として,3年間にわたり以下の事項に取り組むこととした.1.ボール投げの投射角,初速度,飛距離の関係.2.ボール投げ時に投擲者が自分の意識した認識投擲角度と実投射角度の相違.3.ボール投げ時に被験者に与えた投射角度の課題に,被験者が投射角を近づけるプロセス-とりわけ被験者の意識と動作解析との関係.4.やり投げの投射角,初速度,飛距離の関係.5.やり投げ時に投擲者が自分の意識した投擲角度と実投射角度の相違.6.やり投げ時に被験者に与えた投射角度の課題に,被験者が投射角を近づけるプロセス-とりわけ被験者の意識と動作解析との関係.以上の研究計画に基づいて,今年度は中学生と高校生を被験者とし,リアルタイム投擲測定装置を用いてボール投げの投射角,初速度,あわせて飛距離を測定した.また,その際,被験者にはリアルタイム投擲測定装置で測定した投射角の情報を与えないでボール投げの認識投射角度を申告させた.この実験によって,投擲能力の低い被験者にとってリアルタイム投擲測定装置を使った測定では,第一センサーと第二センサーの間でボールが落下運動を始めてしまうため,正確な投射角と初速度が測定できない課題が生じた.そのため,事前に与える投射角の課題に,被験者がどのように自分の投射角を近づけるかのプロセスにアプローチするに至らなかった.これは,実験計画時には想定していなかったことで,実験前に投擲練習をさせるなどの妥当性も含め,次年度の課題となった.今年度の実験によって,被験者は,実際の投射角よりも自分の投げた投射角を低く見積もる傾向にあることが示唆された.
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