2008 Fiscal Year Annual Research Report
19世紀ドイツの国境地域における体操協会の市民的共同に関する研究
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18500497
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
有賀 郁敏 Ritsumeikan University, 産業社会学部, 教授 (30247803)
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Keywords | 協会組織 / 体操協会 / 市民的共同 / トゥルネン / 結社の自由 / カール・フェルカー / スイス / 英国 |
Research Abstract |
本年度は以下の3点を研究課題として設定した。 第1に、19世紀ドイツにおける体操協会をはじめとする協会組織の市民的共同、相互扶助のありようを市民社会論、市民社会研究などを踏まえながら論文として発表すること、第2に、ドイツ国境地域の体操協会の活動に関する実証研究を論文化すること、そして第3に、専攻研究の翻訳を発表することである。 第1、第2の点に関しては、単著論文「ドイツ初期トゥルネン協会運動における結社の自由をめぐる問題」をすでに脱稿し、2009年5月に『体育・スポーツ史の探究』(仮題)として不昧堂出版社から刊行される予定されている。ここでは、主に協会運動と法制度との緊張関係、結社の社会的自己調整メカニズムについて論じられている。本論文を通じて、これまで論じられてきた結社の市民的共同や相互扶助をめぐる歴史像に再考をせまる実証研究だと判断する。 第3の点に関しては、ミヒャエル・クルーガーが2004年に刊行し、またそれをベースに第1回スイス歴史学会大会(スイスベルン大学、2007年3月)で発表した論文「カール・フェルカーと英国におけるドイツトゥルネンの始まり」を翻訳し、『立命館産業社会論集』(2009年3月)に掲載した。本論文はドイツにおける体操運動のパイオニア的人物によるスイスあるいは英国における普及実態を扱った、文字通り本研究にとって基本的な先行研究として位置づくものである。 また、12月にドイツチュービンゲン大学を訪問し、本研究との関連で共同研究の可能性を議論し、ドイツの学術プロジェクトに加わることを決定した。
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Research Products
(1 results)