2007 Fiscal Year Annual Research Report
骨格筋微小循環系における一酸化窒素濃度分布の異方性が筋内血流再配分に及ぼす影響
Project/Area Number |
18500505
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
前田 順一 Miyagi University of Education, 教育学部, 教授 (40199617)
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Keywords | 血管調節 / 内皮細胞 / 一酸化窒素 / 一酸化窒素微小電極 / 挙睾筋 |
Research Abstract |
本研究の目的は、生体顕微鏡下の骨格筋内微小循環網に沿った血管内皮細胞由来の一酸化窒素(NO)濃度の異方性を微小NO電極により定量的に測定し、同時に計測する筋微小循環系の血流速度・血管径・wall shear rate(WSR)とNOとの関連を明らかにすることである。2007年度には、ラット挙睾筋細動脈網において、第一分岐細動脈(1A)から第四分岐細動脈(4A)までの血管径、血流速度及び細動脈近傍のNO濃度を測定することにより、内皮細胞のNO産生能と骨格筋組織内微小循環網における血管径・血流速度・WSRとの関連を定量的に検討することを目的とした。 細動脈が分岐し、血管径(μm)が1A:130.0±14.1,2A:76.5±11.6,3A:39.2±12.0,4A:26.1±6.0μmへと細くなるとともに、血流速度と血流量は動脈網の上流から下流に向かって有意に低下した。また、壁ずり応力は2A〜4Aと分岐とともに上昇し、4Aは2Aに比べて有意に高いWSR値を示した。細動脈近傍のNO濃度(nM)は1Aで679.8±232.5,2Aで471.8±242.5,3Aで583.0±394.0,4Aで276.1±187.7であった。測定部位に関係なくNO濃度の変動幅が非常に大きく、NO濃度の異方性が明らかになった。また、他のパラメータとNO濃度の変動の関連についても、統計的には明らかにすることができなかった。今後、他のパラメータとの関連をさらに精査しながら、NO濃度変動の機序について明らかにする必要があると考えられる。
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