2007 Fiscal Year Annual Research Report
運動負荷による酸化的ストレスの変化と消去能の獲得に関する研究
Project/Area Number |
18500517
|
Research Institution | St.Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
網中 雅仁 St.Marianna University School of Medicine, 医学部, 助教 (30231997)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 尚彦 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (80175132)
山内 博 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (90081661)
|
Keywords | 運動負荷 / 大学生 / 生活習慣 / 8-OHdG / 活性酸素 / 酸化的ストレス |
Research Abstract |
平成19年度の研究では運動部に所属する大学生を対象に運動負荷前後および回復までの生体影響を酸化的DNA損傷の指標である尿中8-ヒドロキシデオキシグアノシン(8-OHdG)濃度および尿中バイオピリン(BP)から明らかにした。対象者は運動前、運動中、運動後に経時的な採尿と運動前後の採血をおこなった。また抗酸化物質である血清中CoQ10や過酸化脂質(LPO)濃度を調べ、関連性の検討も試みた。対象者はトップレベルのサッカー部男子大学生18名(年齢18-21歳)であった。対象者全員は大学の体育寮で生活を共にしており、食事等ほぼ同じ生活環境の集団であった。調査は前安静2日間、運動1日間、後安静1日間とし、運動負荷は午前約2時間、午後約2時間半の練習であった。対象者は調査前2日間の運動を制限し、調査日の運動負荷前後に問診および採血、採尿をおこなった。また運動中や夕食前(負荷3h後)、就寝前(負荷8h後)、起床時(負荷15h後)に採尿を行い、さらに後日も運動制限をして、運動日とほぼ同じ時刻に採尿をおこなった。 運動前から運動後21時間後までの尿中8-OHdG濃度と尿中BP濃度を調べた結果、尿中8-OHdG濃度は運動負荷の3時間後に有意な高値(p<0.05)を示した一方、8時間後には負荷前と同程度にまで低下した。しかし、18名中6名は負荷前と比較して21時間後が高値傾向を示した。尿中BP濃度は運動負荷の8時間後に有意な高値(p<0.05)を示した。血清中CoQ10とLPOの間には有意な逆相関を認めた(p<0.05)が、尿中8-OHdG濃度との間にはCoQ10、LPOともに相関は認められなかった。運動による酸化ストレスの生体影響には個体差があり、抗酸化能や消去能の関与が示唆された。
|
Research Products
(3 results)