2006 Fiscal Year Annual Research Report
過剰運動時に漏出するミオグロビンにより生成する脂質由来ラジカルの検出とその同定
Project/Area Number |
18500519
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
熊本 和正 近畿大学, 健康スポーツ教育センター, 助教授 (50225231)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩橋 秀夫 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (50145926)
岸岡 史郎 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (60137255)
平井 富弘 大阪大学, 大学教育実践センター, 助教授 (70020104)
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Keywords | 横紋筋融解症 / 急性腎不全 / ミオグロビン / ラジカル / 脂質過酸化 / スピントラッピング / ESR / ミクロソ-ム |
Research Abstract |
ラット脳ホモジネートに二価鉄およびアスコルビン酸を加えた反応溶液中に生成するラジカルの高速液体クロマトグラフィー一電子スピン共鳴(HPLC-EPR)法および高速液体クロマトグラフィー-電子スピン共鳴-質量分析(HPLC-EPR-MS)法による検出と構造決定をおこなった。反応溶液のEPRスペクトルを測定すると強いシグナルが得られたが、反応溶液からラット脳ホモジネートおよび二価鉄をそれぞれ除去すると、EPRスペクトルは殆ど得られなかった。また、反応溶液からアスコルビン酸あるいはEDTAを除去した場合、EPRスペクトルのピーク高はそれぞれ35%と54%に減少した。反応溶液のHPLC-EPR測定をおこなったところ、4つの強いピークが得られた。反応溶液からラット脳ホモジネート、二価鉄およびアスコルビン酸をそれぞれ除去すると、HPLC-EPRピークは殆ど得られなかった。また、反応溶液からEDTAを除去するとHPLC-EPRピーク高が減少した。4番目の最も強いピーク(保持時間33.7分)について、HPLC-EPR-MS測定を行ったところ、2つのイオンが得られた(m/z224およびm/z137)。このm/z224のイオンはethylラジカルとスピントラップ剤(4-POBN)との付加体に対応し、このイオンから(CH_3)_3C(O)Nが開裂した残りがm/z137のイオンに対応する。これらのことより、ラット脳ホモジネートに二価鉄およびアスコルビン酸を加えた反応溶液中においてethylラジカルが生成されたことがわかった。 なお、本研究の内容は2006 SFRRI(国際フリーラジカル学会大会)にて発表した。また「Free Radical Research」に投稿し受理されている(印刷中)。
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