2006 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者による小学校教育支援活動が子どもの心身の健康に及ぼす影響
Project/Area Number |
18500524
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
内田 勇人 兵庫県立大学, 環境人間学部, 助教授 (50213442)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 佳典 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 主任研究員 (50332367)
新開 省二 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 研究部長 (60171063)
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Keywords | 小学生 / 高齢者 / 小学校 / 教育支援 / ボランティア / 心身 / 健康 |
Research Abstract |
【目的】小学校教育支援活動(以下、教育支援活動)が高齢者と児童の心身の健康に及ぼす影響について明らかにする。ここでは、ベースライン時と開始から1.5ヶ月後の特徴について報告する。【対象と方法】介入群として、兵庫県姫路市のN小学校区に在住する60歳以上者(男3名、女3名)と同小学校に通学する1年生から3年生全員111名を選んだ。対照群として、同校区に在住する65歳以上者の62名と隣の校区であるJ小学校に通学する1年生から3年生全員219名を設定した。介入群の60歳以上者は小学校教育の支援者として、担任の教師の指示・指導のもと、週1日から3日小学校の種々の活動・授業に参加した。教育支援活動は2007年2月初旬から始まり、学年末の3月中旬にいったん終了した。調査内容として、小学生に対しては「家族関係」「学校生活」「友人との関係」「地域の大人との関係」等を調査した。高齢者に対しては「健康度自己評価」「自尊心尺度」「各種体力テスト(握力、開眼片足立ち時間、ファンクショナルリーチ、5m歩行時間等)」「日常生活動作能力(ADL)」「抑うつ尺度」等を選んだ。ベースライン時との比較において、経過期間が1.5ヶ月と短かったため、60歳以上者の介入群に対してのみグループインタビューを実施し、教育支援活動に対する意識調査を行った。【結果と考察】各質問項目に対するグループインタビューの回答結果をまとめると、教育支援活動が、参加した高齢者の「精神的満足感」や「社会的ネットワーク」の向上に結びついていたことが推察され、参加者の心理社会面に良い影響を与えていることが示唆された。【結論】今後、長期にわたって追跡をしていく予定であるが、60歳以上者にとって「教育支援活動」は心身に良い影響を与えうる可能性が示唆された。児童に及ぼす影響と合わせて、注意深く調査・検討をしていきたい。
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[Journal Article] 都市部高齢者による世代間交流型ヘルスプロモーションプログラム"REPRINT"の1年間の歩みと短期的効果2006
Author(s)
藤原佳典, 西 真理子, 渡辺直紀, 李相侖, 井上かず子, 吉田裕人, 佐久間尚子, 呉田陽一, 石井賢二, 内田勇人, 角野文彦, 新開省二
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Journal Title
日本公衆衛生雑誌 53・9
Pages: 702-714
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