2006 Fiscal Year Annual Research Report
生活習慣改善のための意志決定スキル形成の効果的な学習指導過程の開発
Project/Area Number |
18500526
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
大津 一義 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 教授 (50053278)
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Keywords | 生活習慣 / 意志決定 / 学習指導過程 / ライフスキル |
Research Abstract |
本研究の目的は子どもが望ましい生活習慣を実行できる意志決定能力を形成するための学習指導過程を開発することにある。18年度はその予備的・基礎的段階であり、諸鍵概念の定義・整理、子どもの意志決定能力形成への教員のニーズ把握、子どもの生活習慣の実態把握、検証授業担当教員のトレーニング及び予備的検証授業を行った結果、次の様な知見を得た。 1.意志決定能力decision making skillとはいくつかの選択肢の中から最良と考えられるものを自分で選択し決定できる能力である。 2.意志決定時には自信要因とストレス要因、対処パターン要因(熟慮型、自己欺瞞型、防衛的回避型、短絡型)が関わっている。対処パターンとしては熟慮型が望ましく、その意志決定過程は情報活動→設計活動→選択活動→検討活動から成っている。 3.意志決定能力形成の学習指導過程案として、ライフスキルの基本的形成過程(教示→模倣・手本→練習→フィードバック→定着化)に、正しい健康知識の認識形成過程、情意(セルフエスチィーム・セルフエフィカンシー)の形成過程、日常実践化過程を介在させる仮説を設定した。 4.子どもが身につけるべきライフスキルとして現場教師が上位に挙げたのは対人関係及びコミュニケーションスキル、自己認識スキル、意志決定スキルであった。 5.小学生の生活習慣のうち望ましくない傾向にあったのは睡眠、食事、体調等であり、改善したいと思っていたのは男女とも清潔、運動、挨拶、提出物が上位を占め、間食、手洗い、テレビ・ゲームの中断、歯磨きは男女間で顕著な相違が認められた。 6.これらの実態を踏まえて、手洗い、歯磨き、咀嚼、野菜摂取、間食を題材として、学習指導過程案を検証するための予備授業を試みた。ワークシートとして、意志決定樹、熟慮型意志決定過程、6ステップによるものを活用した結果、いずれの場合も学習の習得度や定着度とも良く学習指導過程案の有用性が窺えた。
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