2007 Fiscal Year Annual Research Report
生活習慣改善のための意志決定スキル形成の効果的な学習指導過程の開発
Project/Area Number |
18500526
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
大津 一義 Juntendo University, スポーツ健康科学部, 教授 (50053278)
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Keywords | 生活習慣 / 意志決定 / 学習指導過程 / ライフスキル |
Research Abstract |
本研究の目的は、健康に良い生活習慣を主体的に続けるために、いくつかの行動の中から自分の状況に照らして適切なものを選択、決定し実行できる能力decision making skillを身に付けるための効果的な学習指導過程を開発することにある。19年度は18年度の予備的検証授業を通してのワークシート及び学習指導過程の試案に基づいて、それらのモデル案について検討した結果、次の様な知見を得た。1.プリシードモデルに基づけば、行動変容には7つの要因、即ち、QOL,健康状態、環境、ライフスタイル、動機付け(知識、情意)、継続(重要な人、行動後の満足感、)、実現可能(専門家、利便な施設や交通機関等)が関わっている。情意因子である意志決定の学習指導過程を行動変容に効果的なものにするには、他の要因にも配慮する必要がある。2.学習指導過程モデル案としては、いきなり意志決定スキル形成の授業に入るのではなく、その前に該当する生活習慣(行動)に関する科学的知識の認識形成過程を経るようにする。3.授業の事前には、対象者のニーズ、中でもQOLを把握し(何をしたい?、夢は?、生きがいは?など)、これを向上できる方向で学習指導過程を展開する。4.授業の成否の7割を決めるといわれている教材(ワークシート)の開発にも取り組んだ結果、そのモデル案としては、低学年では意志決定樹及びライフスキルの基本的形成過程(教示→模倣・手本→練習→フィードバック→定着化)を、高学年以上ではサイモンの熟慮型意志決定過程(情報活動→設計活動→選択活動→検討活動)を自記式で確認しながら作業できるようにするものが良い。5.意志決定スキル形成の授業の最後の5分位で、選択決定した生活習慣の定着化のための行動実行計画表に自己と重要な人による継続チェック・評価をするよう説明し、1週間後にフィードバックする。
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