2006 Fiscal Year Annual Research Report
携帯型インピーダンス装置を用いた睡眠時呼吸動態の解析とその健康科学への応用
Project/Area Number |
18500540
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
安田 好文 豊橋技術科学大学, 体育保健センター, 教授 (70126952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀畑 聡 日本大学, 松戸市学部, 准教授 (20238801)
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Keywords | 胸部インピーダンス / 眠気 / 瞬目 / 近赤外分光法(NIRS) / 静脈血酸素飽和度 / 静脈阻止法 |
Research Abstract |
本年度は、主に学生の模擬授業中の眠気や居眠りの発生と、生理的データ、すなわち脳波、心拍変動、呼吸、眼電図などとの関連について検討を行った。その結果、脳波や心拍変動には、眠気の発生や居眠りの開始に伴う明確な変化は観察されなかった。胸部インピーダンス法で測定した呼吸活動については、眠気や居眠りの発生に伴い、呼吸曲線の振幅の減少とリズムの均一化が観察された。すなわち脳活動の低下に伴って呼吸の不規則性が減少したものと推測される。眼電図の結果から、開発したアルゴリズムを用いて主に瞬目の判別を行い、瞬目時間と瞬目頻度から眠気の進行を評価する方法論を提案した。眠気発生から居眠りへの経過において、瞬目時間の延長と瞬目頻度の有意な低下が観察された。瞬目の動態観察は、眠気の判定や居眠りの予告に有用であることが明らかになった。 一方、睡眠時の呼吸状態を観察するために、近赤外分光法(NIRS)を用いた静脈血酸素飽和度(SvO_2)の測定のための装置開発と精度検証実験を実施した。通常静脈血酸素飽和度の測定には、静脈阻止法を用いるが、阻止圧やデータの解析方法については、方法論が統一されていない。そこで静脈阻止圧を20mmHgから100mmHgまで5段階変化させたときのSvO_2値への影響を欄し、阻止圧はSvO_2値に影響しないことを明らかにした。またSvO_2の算出方法については、傾き法、面積法、一次回帰法などが提案されているが、一次回帰法が客観的で誤差が少ないことが明らかになった。さらに、発光素子と受光素子間距離がSvO_2値に及ぼす影響を検討し、阻止間距離の増大に伴い、SvO_2値が有意に低下することを明らかにした。
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