2008 Fiscal Year Annual Research Report
携帯型インピーダンス装置を用いた睡眠時呼吸動態の解析とその健康科学への応用
Project/Area Number |
18500540
|
Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
安田 好文 Toyohashi University of Technology, 体育・保健センター, 教授 (70126952)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀畑 聡 日本大学, 松戸歯学部, 准教授 (20238801)
|
Keywords | 胸部インピーダンス / 睡眠時呼吸障害 / 動脈血酸飽和度(Sp02) / 心拍変動 |
Research Abstract |
本年度は、大学生を対象として睡眠実態に関するアンケート調査とともに、これまでに開発した装置や解析手法を用いて、睡眠時の呼吸パターン、動脈血酸素飽和度、心拍数、呼吸筋活動を測定・評価し、睡眠時のこれらの挙動を検討した。アンケート調査から、規則的な睡眠を心掛けている学生の比率は約30%であったが、快適な睡眠のために具体的な取組みを行っているものは10%であった。またいびきをかくと申告した者が15%、朝起きて喉の渇きや頭痛を感ずる者も20%程度おり、若者の間にも睡眠時呼吸障害が発生している可能性が示唆された。 一方、胸部インピーダンス法、心電図、動脈血酸素飽和度計を用いた実験室での計測から、睡眠異常を自覚していない大学生において、睡眠中の呼吸の不規則な変動、それに伴う動脈血酸素飽和度の顕著な低下、心拍数の上昇などが観察された。また睡眠時の動脈血酸素飽和度は、覚醒時に比べ低下することも明らかになった。さらに携帯型パルスオキシメータを用いた在宅実験においても、同様の結果が得られた。データ解析から典型的な閉塞性無呼吸を呈する被験者は確認されなかったが、中枢性の無呼吸や低呼吸が一晩には複数回起きていることが明らかとなった。 測定装置および解析手法の開発面では、近赤外分光法を用いた動脈血酸素飽和度の計測において新たな解析アルゴリズムを提案し、beat-to-beatに動脈血酸素飽和度の計測が可能となったが、拍動間のばらつきも大きく、また市販の装置に比べても低値を示すことから、さらなる検証が必要である。
|