2008 Fiscal Year Annual Research Report
地域在宅高齢者の転倒予防法の開発ー変形性膝関節症と認知障害の影響を考えるー
Project/Area Number |
18500545
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
平田 総一郎 Kobe University, 保健学研究科, 教授 (80238360)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関 啓子 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (90154640)
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Keywords | 医療・福祉 / リハビリテーション / 老化 |
Research Abstract |
平成20年度は年齢が異なる地域在住高齢者群を対象に研究を実施した。 比較的若く活動的で歩行機能が保持されている高齢者群(平均年齢70歳)に対して、単一の課題である通常の歩行および認知課題に加えて、両者を同時に行う二重課題下での歩行検査を行った。また比較対照として健常若年成人も含めた。単一課題において、高齢者の認知機能(一定の整数から7を続けて引き算を行うserial7's、色がついた字の読み上げではなく字の色を答えるStroop test、および前頭葉機能を測るfrontal assessment battery(FAB))は健常若年成人より有意に低かった。高齢者の通常歩行速度は健常若年成人のそれと有意差はなかったが、歩きながらserial 7'sやStroop testを行う二重課題下では有意に歩行速度が低下し、かつstep time variability(STV、ステップの時間的ばらつき)の増大がみられた。この歩行速度の低下度は単一課題のserial7's、 Stroop test、 FABと有意な相関がみられた。これらの結果は、認知機能の低下のため速度を遅くすることによって歩行安定性を高めている、すなわち転倒を回避する姿勢優先戦略をとっているためと考えられた。一方、STVの増大は上記3つの認知機のと有意な相関はみられず、歩行速度の低下に伴う可能性があると考えられた。 また介護予防型デイサービスを利用する女性後期高齢者群(平均年齢81歳)においても転倒関連要因について検討を行った。過去1年の転倒歴有りは29%、膝関節痛有りは30%であった。過去1年の転倒歴は年齢、1日平均歩数、通常歩行速度、応用的移動能力を測るtimed up & go test(TUG)、特定高齢者の有無など転倒と関連する要因中、膝関節痛と最も強く関連しており、膝関節痛は転倒の危険因子であることが判明した。
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Research Products
(1 results)