2006 Fiscal Year Annual Research Report
運動刺激・体力と精神機能との関連性についての基礎的研究
Project/Area Number |
18500548
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
長野 真弓 九州大学, ユーザーサイエンス機構, 客員助教授 (10237547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊谷 秋三 九州大学, 健康科学センター, 教授 (80145193)
大貫 宏一郎 九州大学, ユーザーサイエンス機構, 特任助教授 (50378668)
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Keywords | 運動 / 体力 / 精神健康度 / 糖尿病 / メタボリックシンドローム / 高齢者 |
Research Abstract |
本研究は、様々な体力レベルや特性を有する者(若年健常者・有疾患者・高齢者など)における精神機能や感性(刺激に対する心の働き)を、質問紙あるいは脳波計、自律神経計測装置等を用いて調査・計測し、運動刺激・体力とそれらの指標間の関連性を明らかにすることを主たる目的としている。 本年度は、有疾患者(新規糖尿病患者)や地域高齢者における体力・運動習慣と質問紙で調査した精神健康度との関連性を、病態や個人が有する健康問題等も含めて検討した。現在、引き続きできうる限り多くのデータを蓄積すべく調査を続行中であるが、現時点でそれらの中間解析を実施した限りでは、以下に示す結果が得られている。 1)地域高齢者においては、全身持久力・筋力をはじめとする実測した体力要素、1年以上の運動習慣とGHQ(General Health Questionnaire)で調査した精神健康度との間に関連性が認められなかった。しかしながら、質問紙で調査した主観的体力と精神健康度との問には有意な関連性が認められた。さらに、精神健康度と高齢者が抱える慢性疾患をはじめとする健康問題との間にも有意な関連が認められた。 2)新規糖尿病患者のうち、脂肪肝を有する者において、精神健康度と全身持久力、病態との関連性を検討したところ、精神健康度不良の者の体力、肝CT値、AST : aspartate aminotransferaseなどの脂肪肝の指標が精神健康度良好の者より有意に悪化していた。肝機能指標は体力や内臓脂肪と関連が強いことから、精神健康度の悪化と身体活動量の低下の間の関連性がそれらに影響している可能性が考えられた。 なお、以上の結果は、国際学会発表および論文として現在準備中であり、本年度前半には学会発表や投稿が完了する見込みである。
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