Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 秀夫 新潟大学, 医歯学総合, 教授 (00157629)
木村 靖夫 佐賀大学, 文化教育学部, 教授 (90063768)
田中 宏暁 福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (00078544)
前田 明 鹿屋体育大学, アドミッションセンター, 教授 (40264543)
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Research Abstract |
加齢に伴う体力の低下は周知されているが,高齢になっても体力を測定する意欲に,健康寿命を延伸する要因があると推察する。体力測定が単に体力の加齢変化を示すのみではなく,実施状況を示すことで,対象者の意向を数量化できると仮定した。本研究では,70歳時と79歳時検診において,体力測定実施率を項目別に明らかにし,さらに,79歳時に1項目のみを測定したものと全項目を測定したものの体力を,70歳時の測定値とともに比較検討した。本研究の目的は,体力測定実施状況を明らかにすることにより,体力の加齢変化に関する基礎資料を得る試みである。 その結果、高齢者は加齢に伴い体力測定を回避していることが伺われ,男性よりも女性において顕著であった。体力測定を実施している総数が,平成11年度に593名であったものが,平成19年度に366名であることからも,体力測定を実施できること自体にバイアスがかかっていることが推察される。79歳時においては,男女とも全項目測定している対象者が,握力のみを測定している対象者よりも有意に高値であったが,70歳時において両者に差はみられなかった。握力のみを測定した対象者は,握力の低下率が,全項目実施の対象者よりも高いことが明らかになった。また,握力のみを測定した対象者は,自己の体力の低下を自覚し,測定による事故の危険性を回避した対象者とも推察される。このような対象者が,測定項目を減らした時期や,その後の体力の加齢変化,またADLや日常身体活動量など,多面的な検討が必要であると考える。
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