2008 Fiscal Year Annual Research Report
70歳高齢者の体力と日常生活動作遂行能力の加齢変化への身体活動の影響
Project/Area Number |
18500549
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Research Institution | National Institute of Fitness and Sports in Kanoya |
Principal Investigator |
吉武 裕 National Institute of Fitness and Sports in Kanoya, 体育学部, 教授 (00136334)
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Keywords | 高齢者 / 体力 / 歩数 / 身体活動力 / ADL / 日常生活動作遂行能力 / 体組成 |
Research Abstract |
これまで,同一年齢で大多数の高齢者集団を対象とし,日常生活での歩数と多項目からなる体力要因との関係について男女別に検討した研究はみられない.そこで,本研究では地方都市に在住する71歳の高齢者集団394名(男性222名,女性172名)を対象とし,日常生活での歩数と体力との関連性について検討した結果,以下のことが明らかとなった 1)日常生活での1週間の歩数の平均値は男性6,561歩/日,女性6,329歩/日であり,男女間に有意な差は見られなかった. 2)歩数と日常生活動作遂行能力(階段昇降動作,椅子からの立ち上がり動作)との間には男女とも有意な正の相関関係が認められた. 3)女性の方が男性に比べて体重やBMI,体脂肪率が高く,女性においてのみ歩数と体組成との間に有意な負の相関関係が認められた. 4)男女とも歩数と膝伸展力との間に有意な正の相関関係が認められ,女性においてのみ脚伸展パワーとの間にも有意な正の相関関係が認められた. 5)女性においてのみ,健康日本21による歩数の目標値を達成している者とそうでない者との間には,体組成ではBMIと体脂肪率,体力では握力と膝伸展力に有意な差が認められた. 以上の結果から,比較的高次の生活機能を保持している地方都市在住高齢者ではあったものの,歩数が多い者は少ない者に比べて下肢筋力や日常衣生活動作遂行能力に優れており,歩数との関連性については特に女性において顕著であることが示唆された。また,高齢女性においても歩数は肥満度に関連していることが示唆された.
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