2008 Fiscal Year Annual Research Report
指尖容積脈波による血管内皮機能検査法の開発と動脈硬化危険因子に関する健康科学研究
Project/Area Number |
18500551
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
堀口 雅美 Sapporo Medical University, 保健医療学部, 准教授 (10217185)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 豪一 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (10167497)
澤田 幸展 札幌医科大学, 医学部, 教授 (40045539)
加藤 有一 札幌医科大学, 医学部, 助教 (90363689)
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Keywords | 指尖容積脈波 / 指動脈弾力指数 / 指動脈流量依存拡張率 / 血清エストラジオール / 心理的因子 / 食行動 / アロスタティック負荷 |
Research Abstract |
指動脈弾性特性と動脈硬化に関する危険因子を検討するため、心血管系の簡易健康評価法の測定と心理的因子の質問紙調査をした。簡易健康評価法として指動脈弾力指数(FEI)と指血管内皮機能を反映すると考えられる指動脈流量依存拡張率(FDR)を測定した。さらにストレスについてアロスタティック負荷(AL)の点から検討した。実験1:青年期女性38名のFDRを測定し、血清エストラジオール濃度およびFEIとの相関関係を調べた。血清エストラジオール濃度と血管拡張率の相関は、反応性充血(RH)後1分から2分までのFDRの平均ではRH後50-60秒、60-70秒で有意であった。血清エストラジオール濃度とFEIの相関はなかった。実験2:青年男女219名の食行動を調査し、心理的因子に関する質問紙調査と生理指標との相関を分析した。女性では、不健康な食行動が怒り、攻撃性、抑うつ、不安、知覚されたストレスで正の相関、コヒアレンス感、いきいき度で負の相関が認められた。またBMI、体脂肪率、インスリン抵抗性で正の相関が認められた。一方男性では、不健康な食行動はほとんどの指標で有意な相関を認めなかった。実験3:ALとは心理社会的ストレスを媒介する自律神経系・内分泌系・免疫系の多システムを横断し、その総合的な活動水準により操作的に定義される長期的変調である(Seeman et al.,1997)。男性60名と女性50名を対象にALを算出し、生理指標等との相関を分析した。女性ではBMI、空腹時血糖、糖化ヘモグロビンで正の相関、男性ではMHPG、上腕-足関節脈波速度で正の相関、FEIで負の相関が認められた。以上より、FDRについては対象に男性を追加し、さらにエストラジオール以外の血管拡張能に関与する因子を含めた検討が必要であること、ストレスについてはALという多軸システムの観点から検討することが有用と示唆された。
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